本年度の研究実施計画に基づき、まず、昭和62年度の国有林、63年度の民有林におけるヘリコプタ集材作業の実態調査結果および各種の作業能率に関する調査資料を整理し、これに数量化理論I類を適用して、合理的な作業計画の立案に不可欠な各種の作業条件に対応した作業功程(労働産業性)と作業コストを予測できるモデルを設計するための検討を行った。その結果、上記の資料により設計した作業功程の予測モデルを用いることにより、あらかじめ作業計画区域内の作業条件を調査すれば、重相関係数の値が0.925から0.911という高い精度で当該作業計画区域内における作業功程の予測を行うことができることを明らかにした。同様にして作業コストの予測モデルについても、重相関係数の値が0.825から0.821の精度で予測を行うことができることを確認した。 つぎに、これら作業功程と作業コストの予測モデルの作業現地への適合性と、これを実際のヘリコプタ集材作業に適用して本集材作業システムを最適化するための検討を行った。その結果、作業条件因子としての要因項目のカテゴリ-に与えられた規準化スコアの数値により最適作業条件を見いだすことができることを明らかにした。すなわち、作業功程の予測においては各要因項目のうちの最大スコアを与えるカテゴリ-が当該項目の最適作業条件であり、作業コストの予測においては最小スコアを与えるカテゴリ-が当該項目の最適作業条件であることを検証し、本集材作業システムにおける最適作業条件の予測方法を提案した。 さらに、本年度は継続研究の最終年度であるので、研究成果を取りまとめた別冊の平成元年度化学研究費補助金(一般研究(C))研究成果報告書を印刷し公表することとした。
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