被害量推定 奈良県下のノウサギによるヒノキへの激害地において、樹木の配置をマッピングし被害形状をいくつかのタイプに区分し記録、ナンバーテープをつけておき、被害分布の変化、樹形の回復、樹木の生育に伴なう被害状況の変化を追跡し、被害の判定と、被害量推定方法についての考察を行なった。 被害形態の区分 ノウサギでは、主軸切断タイプと剥皮タイプに大きく分けられる。主軸を切断された上、幹の樹皮剥皮害をも受けることはあるものの、大きくは、この二つに区分される。しかし、地域、季節、樹種、樹令などとの直接的な関係はないようであった。 被害木の生育・樹形の回復 和歌山県下のニホンジカ、カモシカによる被害木について、主軸にかわって上長伸長をはじめた側枝の生育、幹形の回復を追跡し、苗畑での切断実験も行なった。被害木でも、実験的な切断実験でも、側枝がすぐに幹にとって代り、幹形は多くの場合、すぐに回復する。 軽度の枝葉の食害では、上長伸長は、1年後では、ほとんど差がみられなかった。
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