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1988 年度 実績報告書

コロナ放電処理を用いる紙表面改質機構のESCAによる解明

研究課題

研究課題/領域番号 62560167
研究機関東京農工大学

研究代表者

佐渡・篤 アツシ  東京農工大学, 農学部, 助教授 (40014956)

研究分担者 岡山 隆之  東京農工大学, 農学部, 助手 (70134799)
研究概要

コロナ放電処理による紙の表面解質の機構を解明するために、化学ラベル化-ESCA法などの手法を用いて前年度に引き続き以下の成果を得た。供試試料には、ワットマンろ紙、N・BKP手すき紙、TMP手抄き紙、再生セルロースフィルムをエタノール/ベンゼン混液により抽出処理したものを用いた。
(1)上記試料をコロナ処理すると、それら試料表面にはカルボニル基を生じ、水素化ホウ素ナトリウムにより還元処理すると、そのカルボニル基のおおよそ4分の1が減少することを前年に見出したが、還元処理の初期pHを4.5から11.0に変化させても減少率は12%から38%間の値をとり前年度の値とはかけはなれていなかった。
(2)コロナ処理により、セルロースシート表面にカルボキシル基は生成しないが、TMPシートの場合は生成する。
(3)コロナ処理により、セルロースシート表面に導入されたカルボニル基の経時変化を測定したところ、表面に存在するカルボニル基は、100日経過して6%しか減少しなかった。一方低密度ポリエチレンでは22%にも達した。このことは表層のセルロース鎖の回転しにくさを示している。
(4)コロナ処理により、過酸化物(ROOR^')が試料1gあたり1×10^<16>個程度生成したが、オゾニド(ROOOR^')は検出されかった。
(5)コロナ処理によるシート表面の酸化され易さを、表面に導入された酸素量として求めると、抽出成分>リグニン>セルロースあるいはヘミセルロースの順となった。
上記(1)(2)(3)(5)はFSCAならびに化学ラベル化-ESCA法により初めてもたらされた貴重な知見であり、ESCAの威力の大きさを実感することができた。
コロナ放電処理/ESCA/化学ラベル化-ESCA法/水素化ホウ素ナトリウム/カルボニル基/カルボキシル基/過酸化物/オゾニド/ワットマンろ紙/N・BKP/再生セルロースフィルム/TMP

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] A.Sawatari;Y.Hayashi;T.Kurihara: Proc.Intr.Cel.Conf.1988(in contribution). 2. (1989)

  • [文献書誌] 越智孝、岡山隆之、大江礼三郎: 紙パ技協誌(紙パルプ技術協会). 42. 579-586 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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