研究課題/領域番号 |
62560174
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
祖父江 信夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (50023495)
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研究分担者 |
佐々木 康寿 名古屋大学, 農学部, 助手 (90154004)
都築 一雄 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023438)
竹村 冨男 名古屋大学, 農学部, 教授 (90014919)
太田 正光 東京大学, 農学部, 助教授 (20126006)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | LVL / 構造接合 / 釘 / ボルト / 破壊 / 破壊力学 |
研究概要 |
ボルトおよび釘で接合したLVLの構造接合部の破壊について検討した。 1.打釘による割れ長さを実験によって確かめ、さらに破壊力学的手法による定量的予測について検討した。材料内部では割れ長さは表面よりかなり長く、また材端に打つと大きく割れる。割れ長さは、材料の強度固有値(比重と破壊靱性値K_<IC>)から、ほぼ予測できた。 2.ボルト接合部の強度は、接合部に作用する実用的に重要な二種類の負荷様式(ボルトがせん断を受ける場合)について検討した。試験体は210材サイズとし、ボルトは直径16mmのものを用いた。LVLの安全なボルト配置として、以下の値を得た。(1)負荷方向がLVLの繊維方向と直交する場合:縁距離4d〜7.3d(dはボルト直径)以上、端距離は7d〜10d以上となった。(2)負荷方向がLVLの繊維方向と一致する場合:縁距離1.5d以上で、端距離は7d以上となった。木構造計算規準の木材に対するボルト配置の基準に比べると、LVLでは、縁距離、端距離をやや長めに取る必要がある。 3.接合部の応力解析から、縁距離や端距離が十分でないと、木質材料に特有な割れ(開口)モードによる破壊が起こりやすいことがわかり、ボルト位置とき裂の発生場所や破壊機構との関係が明らかとなった。 4.LVLに潜在する単板の割れ長さを力学的に等価なエッジ・クラックとして破壊力学的に評価すると、約9mmのき裂長さに相当した。 5.アコースティック・エミッションは、割れ破壊が起る時に多く発生し、部材のつぶれによる破壊の時は少なく、破壊様式の判断に有効であった。 繰返し負荷に関する実験は継続中である。今後の研究の展開として、釘接合では実用的な複数の釘を打つ場合の検討、ボルト接合では複合応力の作用下での破壊の検討が課題となる。
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