研究課題/領域番号 |
62560175
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
阿部 勲 三重大学, 生物資源学部(農学部), 教授 (20024581)
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研究分担者 |
船岡 正光 三重大学, 生物資源学部(農学部), 助教授 (50093141)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 縮合型タンニン / 核交換反応 / タンニンのフェノール核パターン / ハメットの酸度函数 / 天然ポリフェノールのフェノール化 / タンニン系 / 樹脂接着剤 |
研究概要 |
1 縮合型タンニンの特性 標準核交換試菜(触媒;BF_3)による構造解析法を検討し、タンニン分析のための従来法との併用によって、構造の複雑なワットル、ケブラコタンニンおよび数種の針葉樹樹皮抽出物の特性を明らかにした。 2 縮合型タンニンのフェノール化および核交換反応 フェノール・酸触媒系で処理するとフェノール化反応を経由して構成核が遊離するが、BF_3触媒より活性度の小さなブレンステッド酸は実用性の高い触媒であり、水の存在で失活しないが水存在量の増大に伴い酸強度は低下し両反応速度は低下することを証明した。 3 含水フェノール系による縮合型タンニンの化学修飾 多価フェノールを構成要素としているにも拘らず、タンニン系樹脂の接着性能は合成樹脂系より劣るが、その原因はタンニンの立体構造に起因すると推定し、フェノール化による複素環エーテル結合の切断と安定化を目途として高含水フェノール系による縮合型タンニンの化学修飾について検討した。その結合、フェノール化反応による媒体フェノールの消失と同時に、タンニン構成核の遊離も平行しておこることを認めた。 4 フェノール化変性タンニンの接着性能 レゾルシノールまたはフェノール媒体で調製した樹脂の常温接着性および中温〜高温接着剤としての性能について検討した結果、タンニン:フェノール配合比1:1モル(重量比=100:32)の条件で調製したフェノール変性樹脂の接着性能は、市販レゾール樹脂を上回っていたが、レゾルシノール変性樹脂の常温接直性は十分ではなく、さらに適正な分子量分布、分子型態を有する樹脂調製のための変性条件を基本的に検討する必要があった。
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