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1988 年度 実績報告書

魚類の肝細胞の培養

研究課題

研究課題/領域番号 62560202
研究機関日本大学

研究代表者

渡辺 翼  日本大学, 農獣医学部, 助教授 (30095517)

キーワード組織培養 / 肝細胞 / サケ科魚類 / 細胞成長因子 / ニジマス / ヤマメ / 肝臓 / 胚 / 血清蛋白
研究概要

ニジマス稚魚の肝細胞の初代培養を10ng/mlのEGFと40nMのインシュリンを添加した10%牛胎仔血清加TC199を用いて行なった。7例行なった内、上皮性の細胞が増殖した1例(RTL-4)は40日目に継代可能となり、現在まで100代以上植え継がれている。本細胞は段々倍加速度が速まり、7-10日で継代されるようになった。RTL-4は単層で増殖し、接触阻止を受けて増殖を止める上皮性の細胞からなっている。電子顕微鏡による観察では、大半の細胞は大きく球形で一個の丸い核を有していた。核の中央部には一個の電子密度の高い仁があり、細胞質には肝実質細胞の特徴であるよく発達した粗面小胞体とミトコンドリアが存在した。PAS弱陽性の細胞もいくつかあった。PTL-4は伝染性膵臓壊死症ウィルスに対して高い感受性を有していたが、伝染性造血器壊死症ウィルスに対する感受性は低かった。また、サクラマスの陸封型であるヤマメの発眼卵の肝細胞の培養を行なった。22例中一つの細胞株が樹立され、YEL-13と名づけ、現在まで120代以上継代されている。YEL-13は、接触阻止を受け単層で増殖する細胞で、上皮性の細胞と少数の線維芽細胞から構成されている。電子顕微鏡による観察では、大きな球形の核を有し、細胞質にはよく発達した粗面小胞体が存在し、細胞表面のマイクロビライは未発達であった。本細胞の染色体数は50から83の間に分布するものがほとんどで、その内の24%の細胞が56の染色体を有していた。YEL-13は15℃と20℃の間でよく増殖した。また、蛍光抗体法と免疫電気泳動により、本細胞はヤマメの血清タンパクの一つと同じ抗原性を有するタンパク質を生産分泌していることが判り、株化されても肝実質細胞の機能を有していることが確かめられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Watanabe;M.Nakano;H.Asakawa;T.Moritomo: Nihon Suisan Gakkaishi. 53. 537-542 (1987)

  • [文献書誌] T.Moritomo;H.Asakawa;M.Nakano;T.Watanabe: Nihon Suisan Gakkaishi. 54. 1881-1887 (1988)

  • [文献書誌] T.Watanabe;T.Moritomo.: Nihon Suisan Gakkaishi.

  • [文献書誌] T.Watanabe;H.Iwashimizu;T.Moritomo;H.Kamiya.: Nihon Suisan Gakkaishi.

  • [文献書誌] 渡辺翼: 遺伝. 422. 42-48 (1988)

  • [文献書誌] T.Watanabe;T.Moritomo.: "Establishment and properties of a cell line derived from salmonid fish liver.in"Invertebrate and Fish Tissue Culture"" Japan Scietific Societies Press, 294 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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