研究概要 |
四国の佐多岬、日振島、沖ノ島などで、海綿、腔腸および原索動物を主体に50種余を採集し、常法に従って水溶性および脂溶性画分を調製した。各画分につき、Candida albicans, Matierelia ramannianusおよびPencillium Crysogenumに対する抗カビ活性をペーパーディスク法で調べた。その結果、前年度と同様に、海綿動物が活性の出現頻度と強さの点で、抗カビ物質の探索対象として最も有望と判断された。なお、脂溶性画分に活性を示すものが多かったが、水溶性画分にもいくつか活性を示したものがあった。 上記スクリーニングで浮かび上がった活性種のうち、まず腔腸動物ヤギ類のAcalycigorgia sp.から活性物質の単離を試みたところ、3つの活性成分、ginamallene (1__〜),acalycixeniolida B'(2__〜)およびC(3__〜)を得ることができた。これらの化学構造は主にNMR分析によって行った。次に紀伊半島産海綿Mycale sp.から活性物質の単離を試み、3つの活性物質mycalolideA-C(4__〜-6__〜) を得て、その構造をトリスオキサゾールを含む特異なマクロリドと決定することができた。
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