研究概要 |
1.中国山東省の農業関係行政機関, 農村調査を実施した. 5〜6月調査要項作成, 受入れ機関である山東大学経済系との折衝, 9月に訪中, 10月初めまで訪問地域・訪問機関・訪問内容の詰め, 10月中旬〜11月に調査を実施した. ヒアリングは山東省農業関係行政機関4, 済南近郊農村7, 徳洲, 維坊, 畑台地区の4県, 5郷(鎮), 10村, 4県営企業, 10郷(鎮)営企業, 7村営企業, 11専業農家に対しておこない, 4自然村に対し各戸調査を実施した. 現在集計, 整理中であるが, 農村の社会経済状況, 農家経済状況, 農村企業の経営状況などについてきわめて貴重なデータがえられた. とりわけ, 村落共同体的諸規則, 村落構造と農民の就業状況, 家族, 宗教関係については第一級のデータをえたと確信している. 2.二度の上京で東大, アジ研, ジェトロ, 日中経済協会などから多くの関係資料を収集し, 在京の研究者と研究交流をおこなった. 63年2月には本学山口経済学会, 3月には関西現代中国史研(代表池田誠氏)で中国報告をおこなった. 現在の家族経営体制下での中国農民の歴史的段階規定と類型規定研究の持つ意義とそこでの到達点について見解を表明した. 3.63年度は今調査の整理分析を継続するとともに, 当初の予定にはなかったが, 科学研究貴海外学術調査(「近代中国社会における民衆運動に関する総合的研究, 代表佐々木衛氏)に研究分担者として酸化し, 中国農民, 農村, 社会経済構造の歴史的規定性について調査をおこなう予定である. 4.私の調査研究は84年11月にほぼ1ヶ月にわたっておこなった農村調査の継続であり, 今回3年の期間をおいて再訪したことにより, この間の時系列的変化=経済体制改革の深化の様相についても認識が深まった. 5.分析と理論的概括についてはおおむね63年度移行にもちこされている.
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