研究課題/領域番号 |
62560227
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山路 永司 東京大学, 農学部, 助手 (10143405)
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研究分担者 |
吉野 邦彦 東京大学, 農学部, 助手 (60182804)
冨田 正彦 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60074051)
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キーワード | 圃場整備 / 大区画 / 再整備 / 経営受委託 / 集団的転作 / 水田モデル圃場 / 均平 |
研究概要 |
最終年度にあたる63年度は、昭和38年度実施の水田モデル圃場3地区のその後の経緯の現地調査およびとりまとめと、各種メッシュデータの統合的解析による大区画水田賦存量の推定とを行った。 モデル圃場で明らかになったことの要点は以下の通りである。野尻地区では長辺長200mがとられ大型機械による営農が試行されたが長辺長が長過ぎて結局換地単位に細分化されている。そのため排水路へのアクセスで問題が生じ排水路が補強されている。三潴地区でも同様であるがここでは用排水路が長短辺両面に接していたため細分化による困難は生じていない。高須輪中地区では7.5haという最大規模の均平単位がとられたが耕区規模では長辺長を125mに抑え無理を行わなかった。しかし均平単位の大きさがのちの耕区結合を容易にし、現在では2ha規模以上の耕区が見られている。これらより、換地配分の設定の仕方と均平単位の大きさとが大区画化にとって重要な因子であることがわかった。 メッシュデータ解析に供したデータは農水省農地整備情報を主に、国土庁国土数値情報の土壌および標高、気象庁アメダスの平年値を併用した。解析にあたっては大区画化はそれ自体が目的ではなく省力化・低コスト化の一手段であるという認識に立って、単なる大区画化のみならず湛水直播、乾田直播、播種期の地下灌漑バックアップを備えた乾田直播の3種の新技術の適用可能な地域の抽出を試みた。関東地方での解析では41万haの水田のうち60%にあたる25万haで大区画化が可能であり、そのうち湛水直播は4月第3半旬で91%、同第6半旬では全ての面積で可能と判明した。乾田直播は土壌および地下水位の制約を受けるため大区画化可能地の25%程度しか出来ない。 以上より、地域の自然立地条件・営農形態に合った区画規模・用排水形態のあり方を示すことができた。
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