本年度は最終年度に当たるために、主としてこれまでの研究成果を補完する調査を中心に、以下の3点の調査を行なった。 1.吉井川下流右岸地区用水使用実態調査 吉井川下流地域の用水使用実態については、すでに昨年度までの調査とその分析から、近年の利用動向を明らかにすることができたが、本年度はさらに継続調査を行なって、昨年度に行なった分析結果の妥当性を確認した。すなわち、国営土地改良事業による用水系統再編の結果、地区内賦存水の利用率が低下し、吉井川本川への用水の依存度合がた高まってきていることが明らかとなった。 2.児島湾沿岸地域における基幹排水施設の洪水緩和機能の定量的評価 幹線排水施設系の持つストック容量による洪水緩和特性を、水理シミュレ-ションを適用して具体的に評価した。その結果、この地域の農業排水施設は12〜20mmに相当する洪水に対するストック容量を持つことが確認できた。 沿岸平野部と後背山地との連携問題 昨年度まででは主として沿岸平野部を中心に研究を進めてきたが、本年度は視点を変え、沿岸平野部の集水域となっている後背山地の果たす機能についても調査検討を行なった。
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