研究概要 |
香川県多度津における約90年にわたる降雨観測資料を統計解析し,本県における渇水の特性を明らかにした. 昭和53年には, 香川用水が完成し, その効果を論じ, 讃岐本土では山間部を除き, 水不足から解放されていることを述べた. しかしながら, その恩恵を受けていない小豆島等の島しょ部では, 依然として水不足であり, その解決が強く望まれていることを指摘した. さらに, 水資源の開発およびその有効利用について, 小豆島を研究対象地域に選定し, 現地調査を行った. 特に香川県農業試験場小豆島分場においては, 菊に対するドリップかんがい試験の現状を知ることができた. また, ドリップかんがいの研究において, 今後解決すべき問題を明らかにし, 今後の課題を提示した. 一方, 実験室においては, ドリップチューブの水理実験を行い, 設計に必要な資料を得た. さらに, 新しい考えに基づく設計法を提示し, 他大学教官との討論を行い, 学会論文に投稿した. その他得られた成果は次のとおりである. (1)マイクロチューブを用いたドリップかんがいにおいて, 水滴発生が容易にわかる判定図を提示し, 設計に便ならしめた. (2)均等配水が可能なラテラルの長さを大きくし, 且つ施設費が最も低廉となるシステムの設計法を論じた. (3)傾斜地畑の環境評価について検討し, 全天日射量と散乱日射量を実測し, 日射量を直達日射量および散乱日射量に分離する方法を求め, 従来の研究成果と比較検討を行った. (4)同一深さにおける地温のバラツキと, 地温の評価を行った.
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