研究成果を要約すると次のようになる。 1.マイクロチューブを用いたドリップかんがいにおける均等配水 マイクロチューブの先端に生じる流れはdrip flowとjetflowとに分けられる。 jet flowの状態で水を流すと、それによって土壌が移動し、作物の根が露出する等、生育の障害となる。また、八種後におけるカン水では発芽率の減少をきたし、営農上の障害となる。そこで、マイクロチューブを用いたドリッフかんがいでは、drip flowとしてカン水する必要がある。以上のような諸問題を鑑み、マイクロチューブを用いたドリップかんがいにおいて、ラテラルに沿う滴下流量が同一で、且つ、マイクロチューブの先端に生じる流れがdrip flowとなるような設計手法の開発を試みたものである。 2.ドリップかんがいシステムにおけるラテラル菅内水頭の簡易計算法 従来発表されている簡易計算法は、水頭分布の算定において、摩擦損失係数を一定と仮定したり、また、滴下流量がラテラルに沿って均一であると仮定して導かれている。そして、仮定された摩擦損失係数および滴下流量の値が摩擦損失水頭の値の算定に及ぼす影響等については、ほとんど言及されていない。 著者らは、まず水頭分布の算定精度に及ぼす摩擦損失係数および滴下流量の影響について論じ、さらに、水頭分布を算定する簡易法の提案を試みた。
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