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1988 年度 実績報告書

植物組織培養苗の順化に関する環境調節工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62560252
研究機関千葉大学

研究代表者

林 真紀夫  千葉大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (60092087)

キーワード植物組織培養 / 環境調節 / 順化 / 湿度環境
研究概要

本研究では、発根・順化ステージの光環境、湿度環境が小植物体の生長に及ぼす影響をカーネーションを供試して試験するとともに、すでに開発した順化装置を利用した新たな培養苗増殖法の検討を行った。
従来法区と順化装置区の2区を設け、生育試験を行った。すなわち、従来法区では、1節を含むように切り分けたカーネーション外植体を糖を含む培養器内培地に植え、慣行法により30日間培養し、試験介し30日目に順化装置内に移植し順化した。順化装置区では、上記の外植体をロックウールに挿し、これを順化装置内に入れ、水耕養液により栽培し、発根・順化を行った。発根・順化ステージにおける順化装置区の光強度は、従来法区のそれよりも高くした。順化装置区の相対湿度は試験開始7日目より徐々に低下させた。
栽培試験の結果、活着率は両区とも100%であった。試験開始40日目の順化装置区の生体重および乾物重は従来法区のおよそ2倍となり、発根・順化ステージにおいて、湿度環境、光環境を好適に維持してやれば、無糖培地においてもカーネーション小植物体が発根・生長し、その生長量は有糖培地を用いた従来の培養法のそれに比べ勝ることが示された。また、従来法区に比べ順化装置区の小植物体の葉長が長く、節間が短く、茎径が長く、両区に形態的な差違がみられた。
以上で得られた成果は、発根ステージにおける無糖培養の可能性を示唆するとともに、培養苗の発根・順化期間を短縮するため環境調節法のための基礎データとして利用できよう。また、上記の順化装置区で示した方法は、新たな培養苗増殖法として注目できよう。現在、木本植物を供試して、同様の試験を継続している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M,Hayashi・T.Kozai: Plant micropropagation in horticultural industries,Symposium Florizal 87 Arlon-Belgium. 1987. (123-134)

  • [文献書誌] M,Hayashi・M.Nakayama・T.Kozai: Acta Horticulturae. 230. 189-194 (1988)

  • [文献書誌] 林真紀夫: "最新植物バイオテクノロジー要覧-土壌移植と順化環境-" R&Dプランニング, ( ) (1989)

  • [文献書誌] 林真紀夫: "植物生産システム実用辞典-順化装置-" フジテクノシステム, ( ) (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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