研究概要 |
これまで私共はルーメン微生物機能の開発を目的とした数多くの研究を行って来たが, その一端としてルーメン細菌の組換えDNAに関する研究を行ってきた. すなわち乳酸生菌Stvptococcus bows, およびセルロース分解菌Ruminococaus flavetaccens, Ruminococcus Vbus, Butyuivibuio fibuisolvens, デンプン分解菌Selenemonas uminantiumなど主要ルーメン細菌からのプラスミドのスクリーニング, およびバクテリオファージの分離などを継続している. 本研究は, これまでのルーメン微生物に関する研究展開の一方向として, ルーメン細菌の遺伝子組換え操作の畜産〓的応用を目的としてルーメン内微生物の組み換えDNAによる改良をおこない, 牛の飼料効率を高める飼養技術を確立することを目的としている. 今年度はとくに, 東北地方における乳牛ルーメンからの野外ルーメン菌遺伝子採取をおこなうための作業から開始した. その結果, 岩手県下乳牛ルーロンから菌分離を行った. その結果, 39株の菌を採取した. Bactenoides amylophylus 2株, Butyuivbuio fibuisoluens 15株, Selenomonas unnatium 4株などであった. これらの菌類のプラスミドを検索したところ, いずれの菌株も, その保有プラスミドは26.0, 2.3, 1.7メガダルトンの範囲であった. これらのプラスミドとルーメン細菌の発現形式, とくにルーメン内醗酵における行動の発現様式の1つと考えられる各種生化学性状との関連について検索したところ, 岩手県下で採取されたButyuivibuio fibuisovensの12株はキシロース醗酵能との関連が認められた. すなわち, Buityuivibuio由来プラスミド2.3メガダルトン部分はキシロースと関連した.
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