われわれはルーメン微生物の機能開発を目的とした幾多の研究を推進し、すでにいくつかの成果を得ている。そのスケジュールのなかで、今回は、ルーメン細菌の組換えDNAに関する研究をおこない、以下のような成果をえた。すなわち、ルーメン内における微生物機能として知られる飼料分解能および宿主栄養素である有機酸類を生成する細菌、たとえばデンプン分解性で、かつ乳酸生成性菌であるstreptococcusbov's Selonomonus ruminontium、またセルロース分解性、有機酸生成菌種、Fibrinobacter Succinogenes、Butysivibno fibnsolvensなど主要ルーメン細菌からプラスミド分離、スクリーニング、またベクターとして用いるバクテリオフアージの分離した。すなわち、岩手県下で飼育中のルーメン内容物、マレーシア農料大学で飼育中の水牛および原産牛KK種のルーメン内容物からルーメンバクテリアを分離した。すなわちRuminibacter amylophylus、Butyrivibrio fibrisolvense、Selenomonas mininantitum などの典型的なルーメン細菌を得、これらについてプラスミドおよびバクテリオファージについて検索した。いずれの菌株もプラスミドを保有したいることが認められ、その結果、26、o、2.3、1.7メガダルトンの範囲であり、また、発現様式であるキシロース発酵能との関連が認められた。とくにButyrivibrio fiorisolvens にはプラスミド2.3メガダルトン部分がキシロース発酵能との関連性が確認された。さらに脂肪分解性との関連についても検索したが、その関連性は明確にされなかった。
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