研究概要 |
(1)泌乳8〜9日のラットで24時間以内の絶食を行い, 吸乳時プラクチン(PRL), コルチコステロン(B)分泌反応および屠体脂肪, 蛋白含量, 乳腺機能等に対する影響をみた. 絶食開始後, 乳量, 乳腺機能は急激に減少したが, 24時間内の絶食では体内栄養蓄積には何等変化がなく, PRLの分泌にも影響がなかった. Bの分泌はむしろ高進した. 絶食初期の乳汁分泌減少は維持ホルモンの分泌変化を介するものではないと結論された. 泌乳8日における旁子宮脂肪組織の外科的摘出, 泌乳2日より9日まで8日間のβ-アコニスト(イソプロテレノール)の投与はいずれも泌乳11日におけるPRI分泌を僅かに減少させたものの, その効果は判然としたものではなかった. β-アゴニストの投与は脂肪分解の促進を意図したものであるが, 投与量の限りでは脂肪蓄積量に影響を与えるに至らなかった. しかし, 脂肪除去の実験からその蓄積量そのものがPRL分泌に影響を与える可能性は少ないと結論される. より急性な実験条件での脂肪蓄積-PRL分泌の相関究明を検討中である. (2)泌乳5, 15, 20日のラットでそれぞれ24時間にわたり20分おきに採血, 各期における血漿PRL, Bの日内変動を調べた. Bについては現在定量進行中である. 泌乳5日では1日に数回数百ng/mlオーダーのPRLサージが起るのが確認されたが, サージの出現と子による吸乳の対応はなく, 又, 1日の時刻との特別な対応もなかった. ただ, 幾分, 消灯時にサージが起り易く, 深夜から早朝にかけては起りにくい傾向がうかがわれた. 泌乳15日になると昼夜を問わずPRLサージは小さくなり, 20日にはほぼ完全に消失した. (3)PMS処理未成熟および成熟発情周期中ラットの下垂体を用い, in vitroでの^<14>C-ロイシンとり込みにより下垂体のPRL合成および放出能の日内変動を追う手法を確立した(友金)
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