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1988 年度 実績報告書

家畜卵巣の還流培養による卵細胞の効率的利用

研究課題

研究課題/領域番号 62560267
研究機関京都大学

研究代表者

宮本 元  京都大学, 農学部, 教授 (00026618)

研究分担者 佐藤 英明  京都大学, 農学部, 助教授 (80093243)
キーワード還流培養 / 培養装置 / 家畜卵巣 / グラーフ卵胞 / 排卵 / 組織学 / 組織化学
研究概要

昨年度、還流培養装置の作製とヤギの卵巣の還流培養を試みたが、一部の実験において卵胞の破裂が確認されたものの、還流後の卵巣の組織学的および酵素組織化学的観察の結果、開発した還流培養装置を改善する必要のあることが明らかになった。そこで本年度は、昨年度の還流培養装置を改良し、成熟ヤギ卵巣について5回、生後1ケ月以内の仔ウシ卵巣について2回の還流培養実験を行った。還流培養システムの基本は昨年度と同様であり、卵巣を保定するチャンバーとガス交換瓶より構成され、培養液はローラーポンプにより循環させた。95%0_2、5%CO_2混合ガスは洗浄瓶を通してチャンバーおよびガス交換瓶導入した。下記の点について改良した。1.培養温度の設定に関して、培養装置の周囲の空気を加温する方式は、温度が不安定なため取り止め、チャンバーとガス交換瓶を恒温水槽中に温水浴させる方式を採用した。2.培養液は昨年度と同様にTCM199を基本とし、膠質浸透圧を上昇させるためにヤギ血清、デキストラン、グリコース等を加えたが、本年度はさらに細胞成長因子としてのインシュリンと、血液凝固阻子因子としてのヘパリンを添加した。3.環流培養に先だって卵巣脈管系を脱血するとき、フラッシング液をガス平衡させて虚血時間を短縮した。この結果、ヤギ卵巣において酵素組織化学的観察から、培養後の卵巣に培養前とほぼ同程度のエネルギー代謝酵素およびステロイド代謝酵素の活性が認められた。また培養液中の乳酸濃度の増加や、グラーフ卵胞の膨潤等肉眼的観察結果を総合すると、家畜卵巣還流培養装置の原型は完成したと考えられる。今後はさらに装置を改良するとともに、家畜や実験動物の卵巣を用いた実験例を増やすことが必要であると思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 宮本元: 家畜繁殖技術研究会誌. 11. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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