• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

反すう胃内の繊毛虫類が, 反すう動物の構造性炭水化物消化に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 62560273
研究機関京都府立大学

研究代表者

牛田 一成  京都府立大学, 農学部, 助手 (50183017)

研究分担者 小島 洋一  京都府立大学, 農学部, 助教授 (80046490)
キーワードルーメン繊毛虫 / セルロース分解 / キシラン分解 / でんぷん添加効果
研究概要

繊毛虫を除去した時, これにEntodiniumを接種した時, さらに大型繊毛虫を接種した時のルーメン液が示すセルロース及びキシラン分解活性をin vituo法で検討した. その結果セルラーゼを持たないEntodiniumを接種するだけでセルロース分解量が1.5倍増加した. 一方キシランはヘミセルラーゼを持つ大型種を接種した時は明瞭な分解増加があった. この場合の繊毛虫によるセルロース分解促進はセルロース分解細菌の増殖の助長あるいはセルラーゼ生産の促進が原因と思われた. キシランは粒子が極めて細かかったので大型繊毛虫によって容易に捕食されることでこの様な結果をもたらしたと思われる. 繊毛虫によるセルロース分解促進が主として細菌との関係を通した関節的な原因に由来することがわかったので, 次にセルロース分解を抑制するデンプンを添加しその効果が繊毛虫の存否でどう変化するか検討したところ, Entodinium接種でデンプンによるセルロース分解阻害が大きく逓減した. この時24時間目までとそれ以降でセルロース分解速度が異なり, デンプンがまず消費されその後セルロースの分解が盛んになったことを示している. 一方除去した時には最後までセルロース分解速度が増加せず, デンプン分解が最後までこの系の主導的反応であったことが伺われる. デンプンによる阻害は通常言われるpHの低下に由来するのではなく, デンプン水解で生じる遊離グリコースによるものと思われる. 即ち細菌のみによるデンプン分解は繊毛虫によるデンプン消化と異なり相当量の遊離グルコースを生成し, セルロース分解細菌をこのグルコースを利用して生育していくものと考えられる. また例外を除いてグルコースはセルラーゼ生産を阻害することが知られており, 遊離グルコースの生成を伴わない繊毛虫によるデンプン消化はセルロース分解細菌のセルロース分解作用にとって極めて有利なものであることがわかった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] USHIDA K. ;T. KANEKO and Y. KOJIMA: 日本畜産学会報. 58. 893-902 (1987)

URL: 

公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi