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1987 年度 実績報告書

ワラビ毒・ブラキシンの毒作用発現機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62560292
研究機関鳥取大学

研究代表者

竹野 一  鳥取大学, 農学部, 教授 (00081539)

研究分担者 斎藤 俊之  鳥取大学, 農学部, 講師 (40032304)
キーワードワラビ / ワラビ中毒 / 肥満細胞 / ヒスタミン / 膨化
研究概要

ワラビ配糖体であるBraxin A1によるモルモットにおける急性毒性. われわれは牛ワラビ中毒の原因物質として, ワラビ地下茎より1種の配糖体画分の単離に成功し, それをBraxin A1と命名した. 本研究では, その急性毒性を検討する目的で, 単離したBraxin A1のモルモットへの投与実験を行った. 400〜900mg/kgのBraxin A1の腹腔内への投与により, ワラビ中毒の特徴的症状である膀胱および周囲組織の浮腫と出血性の病変が認められた. これらの成績は, Braxin A1がワラビ中毒の原因物質であることを示している.
ワラビ毒・Braxin A1のラット肥満細胞に対する細胞膨化作用. Braxin A1はラット腹腔肥満細胞よりのヒスタミン遊離に対して促進作用を持つが, 同時に肥満細胞を著しく膨化させることを見出した. そこでBraxin A1の毒性機構を解明できる研究の一端として, その細胞膨化とヒスタミン遊離作用との関係を検討した. 同時に, 対照薬としてCompound 48/80, X537A, ATPを用いた. Compound 48/80による肥満細胞の膨化はヒスタミン遊離と一致して1過性に起こるが, その後はむしろ縮小の傾向を示した. X527Aによるヒスタミン遊離は急激に起こるが, 膨化の進行は緩徐であるが同時に細胞崩壊を伴った. ATPではヒスタミン遊離に先行して膨化が発現し, 長時間に亘り持続した. Braxin A1では, ATPにおけると異なり, 膨化がヒスタミン遊離に遅れて発現した. しかし, その膨化はATPにおける様に持続的であった. 以上の成績から, Braxin A1の細胞膨化作用とヒスタミン遊離作用との間には直接的な因果関係は無いものと考えられた. また, Braxin A1の肥満細胞に対する作用様式はATPともかなり異なるものと推測された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] SAITO T.;TAKENO K.;NAKAMURA S.;UEHERA M.: Jpn. J. Vet. Sci.49. 181-183 (1987)

  • [文献書誌] SAITO T.;TAKENO K.;KURATA Y.: Japan. J. Pharmacol.

  • [文献書誌] SAITO T.;TAKENO K.;TOI N.: Japan. J. Pharmacol.

  • [文献書誌] SAITO T.;TAKENO K.;OKAZAKI N.: J. Toxicol. Sci.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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