• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

細菌L型の病原性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62560295
研究機関鹿児島大学

研究代表者

佐藤 平二  鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041672)

研究分担者 清水 孜  鹿児島大学, 農学部, 助教授 (50072921)
望月 雅美  鹿児島大学, 農学部, 助教授 (90157834)
キーワード細胞壁喪失細菌 / 細菌L型 / Spheroplast / Protoplast
研究概要

1.L型の誘導と性状 前年度に引き続き、緑膿菌、Sal.pullorumの安定L型の作出を試みたが、何れにおいても成功しなかった。しかし、Sal.pullorumのL型は浸透圧トレラントなL型であったのに対し、緑膿菌のL型は浸透圧依存性である。また、緑膿菌はL型化に伴い、嫌気条件下でも発育するようになった。緑膿菌菌体構造蛋白はL型化により失われるバンドと新たに出現するバンドがあり、これはStaph.aureusu L型におけるものとほぼ同様であった。緑膿菌の親型とL型間の血清学的比較では、親型血清はL型菌体抗に反応しなかったのに対し、L型血清は親型、L型の両抗原に反応し、Staph.aureus L型におけると同様であり、構造蛋白、血清反応に観られた性状はL型化に伴う共通の現象として注目された。
2.In VivoにおけるL型の誘導 ヒナ白痢菌の発病機序として、母鶏子宮内で卵に移行したSal.pullorumの親型またはL型は、孵卵中はL型化あるいはL型のまま経過し、胎児に病原性を示さないが、孵化により病原性を示す親型に戻り、初生雛にヒナ白痢を起こすのではないかとの仮説のもとに、発育鶏卵に接種実戦を行った。親型、L型共10^5CFU以上の接種では、何れの場合も胎児を死亡させるが、10〜100CFUの接種では、親型はL型に変化し、L型はそのまま生存し、4日目頃より親型に戻るものが現れ、両者が混在するようになり、仮説の一部が証明された。発育鶏卵内でL型が誘導されることが判ったので、無精卵内でのL型の誘導を多数の菌種について試みたところ、Gram陰性菌では34株中10株よりL型が比較的容易に誘導されたのに対し、試みたGram陽性菌ではL型の誘導は認められなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 佐藤平二・田井理一郎 他: "Staphylococcus aureusのL型に関する研究-L型と親型との各種性状比較-" 鹿大農学術報告. 40. 109-120 (1990)

  • [文献書誌] 佐藤平二・岩永俊一: "Pseudomonas aeruginosaのL型に関する研究" 鹿大農学術報告. 41. (1991)

  • [文献書誌] 佐藤平二・多田二郎: "細胞壁欠如細の生物額的及び病原学的研究" 鹿大農学術報告. 41. (1991)

  • [文献書誌] 佐藤平二・丸野弘幸: "Salmonella pullorumのL型に関する研究-卵内におけるL型の誘導について-" 鹿大農学術報告. 41. (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi