研究課題/領域番号 |
62560306
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
村上 敏明 岩手大学, 農学部, 教授 (50003736)
|
研究分担者 |
内藤 義久 岩手大学, 農学部, 助教授 (40003785)
平野 紀夫 岩手大学, 農学部, 助教授 (40092308)
|
キーワード | 初生子牛ウイルス性下痢症 / 牛免疫グロブリン / 牛インタフエロン |
研究概要 |
昭和62年度の実験結果を参考にして、野外における初生子牛下痢症の予防・緊急治療のため、免疫グログリン(以下Igと略記)と同時にインタフェロン(以下IFNと略記)を併用する方法を、野外牛群を用いて検討した。 野外の子牛肥育牧場を選び、同日(又はー両日内)に導入された子牛を順次に、4頭宛を1組とし、それぞれ次の4区に割りつけた。I区:無処置対照、II区:Ig単独、III区:IFN単独、IV区:IgとIFN併用。第21試験日まで観察して下痢の発生状況を比較し、組の集積が16組に達するまで試験を継続した。これらの子牛は何れも導入時はほぼ7日令で、初乳を十分に摂取しており健康であった。導入後は牧場の飼養方法に従い集団飼育され、治療その他は平常通りに行われた。 Igはプール初乳を限外濾過で濃縮した蛋白分画の製品を用い、2日令〜14日令の間は15g/日、15日令〜21日令の間は30g/日を、牛乳または代用乳に混じて経口投与した。IFNは牛由来α_1の試作品を用い、1日おきに2mlづつ計4回、頸部の筋肉内に注射した。 計16組の下痢発症を比較した結果は、I区:9頭、II区:11頭、III区:14頭、IV区:12頭であった。この他、発症日令、下痢持続日数、下痢の程度などにおいても、各区の間に特別の差異はみられなかった。 前年度の実験子牛も含め、重度下痢の糞弁サンプルから、牛ロタウイルスとクリプトスポリデウムが検出された。格子血清中のIg濃度および牛コロナウイルス・牛ロタウイルス抗体値は、何れの子牛も相当程度の水準を保有していた。
|