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1987 年度 実績報告書

細菌性エンテロトキシンの糖特異性に関する免疫化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62560313
研究機関北里大学

研究代表者

杉井 俊二  北里大学, 衛生学部, 講師 (70162865)

キーワード糖特異性 / 細菌性レクチン / エンテロトキシン / コレラ菌 / 毒素原性大腸菌
研究概要

コレラ毒素(CT), ブタ由来大腸菌易熱性毒素(LTp)は分子構造, 作用機作, 抗原性など類似点が多い. これら両毒素の細胞表面上のレセプターも類似物質であると推定されているが, LTpはCTと反応しない腸管上皮の糖蛋白質と結合することから, 両毒素の細胞表面上のレセプターは異なる可能性が示唆されている. この可能性を確認するため, 本研究では細胞表面複合糖質が詳細に研究されているヒト赤血球と両毒素の結合を検討した.
^<125>Iで標識した両毒素はヒト赤血球と効率よく結合し, ノイラミダーゼ処理赤血球を用いると未処理赤血球より2倍量の毒素と結合することが判明した. 毒素と赤血球との結合はガングリオシドGM_1(GM_1)で最も効率よく阻止されたが, 単糖, 二糖, 糖蛋白質などでは殆んど阻止されなかった. 一方, 未標識毒素は未処理赤血球に対して極く弱い凝集活性しか示さなかったが, ノイラミダーゼ処理赤血球に対しては著しく高い凝集活性を示した. この凝集活性は糖蛋白, ガラクトース, ラクトース, メリビオースなどで阻止されたがGM_1では効率よく阻止されなかった. GM_1の弱い凝集活性を検討するためGM_1単独およびGM_1と毒素の複合体の凝集活性を調べた. GM_1自体には全く凝集活性は認められなかったが, 適量のGM_1と結合した毒素は毒素単独よりも処理赤血球に対して著しく高い凝集活性を示した.
以上の成績から, LTpとCTは細菌性レクチンであること, 赤血球膜上のGM_1との結合のみでは凝集活性を示さないことが判った. 凝集活性を示すには,赤血球表面荷電の低下あるいはfree GM_1と毒素との複合体を形成しうるような条件が必要であることが示唆された. 両毒素の赤血球膜上の結合物質(レセプター)はGM_1であることが判明したが, 他の細胞表面上の両毒素の結合物質に差異が認められるか否か更に詳細な研究を行う必要がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shunji Sugii: FEMS Microbiology Letters. 48. 73-77 (1987)

  • [文献書誌] Shunji Sugii;Takao, Tsuji;Takashi Honda and Toshio Kiwatoni: FEMS Microbiology Letters.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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