研究概要 |
今年度は、次の点を明らかにした。1.単クローン抗体T21が認識する精子表面抗原、すなわちシアル酸を含む分子良54,000の糖蛋白質(sgp54と略す)の精製のため、次の組み合わせにて精製を試みた。ファルマシアのQセファロースあるいはmonoQとレンチルレクチンアフィニティー法を組み合わせることにより、一次元SDS電気泳動のクマシーブルー染色/ウェスタンブロッティング・免疫染色では1本のバンドになったが、銀染色にて薄く染色されるバンドがまだ2〜3本存在する。このように精製されたsgp54を現在種々の実験に用いている。現在のところ種々の目的の実験には使用可能であるので、今後大量に精製する計画である。2.抗原安定化因子検索のためのアッセイ法を改良した。3.このアッセイ法に基づき抗原安定化因子の分子量(50,000〜60,000)を推測できたが、まだ因子の精製には成功していない。その理由は、因子検索のためのアッセイの殆どの工程が手動であり、また陽性・陰性を目で判定せねばならず、実験回数をこなせない点が最大の問題点である。現在、抗原安定化因子の分画を種々のクロマトグラフィーにて採取しつつある。現在のアッセイ法を使用すると同時に、光学顕微鏡からテレビカメラ出力しビデオテープに入力後、本大学センター設備の2次元画像解析法を用いて実験を効率良く回転させる方法も検討している。
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