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1988 年度 実績報告書

心臓血管中枢の機能的構成:延髄腹外側野における頭側部と尾側部の血圧調節作用

研究課題

研究課題/領域番号 62570038
研究機関東京大学

研究代表者

熊田 衛  東京大学, 医学部, 教授 (00110487)

研究分担者 桑木 共之  東京大学, 医学部, 助手 (80205260)
キーワード延髄腹外側野 / 動脈圧受容器反射 / 動脈圧感受性ニューロン / 腎臓求心線維 / 交感神経
研究概要

1.ウサギの延髄腹外側野から、動脈圧受容器または同神経の刺激に応ずる自発放電を有するニューロンが合計203個記録された。これらは頭側部および尾側部に分布していた。これら「動脈圧感受性ニューロン」のうち約40%は、脊髄の背外側を刺激すると逆行性に興奮し、脊髄に下行性線維を送っていることが確認された。神経解剖学の知見から、これらのニューロンは、動脈圧受容器-交感神経反射を介在すると考えられる。逆行性に興奮するニューロンは、延髄腹外側野の頭側部に分布し、尾側部にほとんど見出されなかった。この結果は頭側部と尾側部の血圧調節作用における機能分化を示す。
2.「動脈圧感受性ニューロン」は、定義により動脈圧受容器からの入力に応ずるが、ほかに動脈化学受容器、脊髄性求心線維、三叉神経求心線維、視床下部の脳弓周囲部位、腎臓求心線維などの入力を受けていることが確認された。延髄腹外側野の頭側部位は、さまざまな末梢性および中枢性入力を統合し、交感神経活動を反射性に調節している。
3.延髄腹外側野の頭側部位を破壊すると、交感神経の緊張性放電が消失し、血圧はショックレベルに下降する。また、ここを刺激すると、交感神経活動の亢進と血圧の上昇がおこる。
4.このように、延髄腹外側野の頭側部は、交感神経の緊張性および反射性調節を司る部位と考えられ、中枢性血圧調節の「かなめ」としての役割をはたしている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Saeki,Y.: Japanese Journal of Physiology. 38. 251-266 (1988)

  • [文献書誌] Saeki,Y.: Japanese Journal of Physiology. 38. 267-281 (1988)

  • [文献書誌] Terui,N.: Therapeutic Research. 8. 1603-1615 (1988)

  • [文献書誌] Saeki,Y.: Therapeutic Research. 9. 363-371 (1988)

  • [文献書誌] Terui,N.: Neuroscience Research. Suppl.7. 536 (1988)

  • [文献書誌] Kumada,M.: Journal of Physiological Society of Japan. 50. 359 (1988)

  • [文献書誌] Koshiya,N.: Journal of Physiological Society of Japan. 50. 557 (1988)

  • [文献書誌] Terui,N.: Neuroscience Research. 1989.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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