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1989 年度 実績報告書

心臓血管中枢の機能的構成:延髓腹外側野における頭側部と尾側部の血圧調節作用

研究課題

研究課題/領域番号 62570038
研究機関東京大学

研究代表者

熊田 衛  東京大学, 医学部, 教授 (00110487)

研究分担者 桑木 共之  東京大学, 医学部, 助手 (80205260)
キーワード延髓腹外側野頭側部 / 延髓腹外側野尾側部 / 動脈圧受容器反射 / 血圧 / 交感神経 / 心臓血管ニュ-ロン / エンドセリン / 化学感受性
研究概要

平成元年度における研究成果は,つぎの2点にまとめられる。
まず,筑波大学基礎医学系の照井直人講師(昭和62年度の研究分担者)との共同研究により、延髓腹外側野尾側部の機能を研究した。これまでどおり麻酔したウサギを用いて,延髓腹外側野の頭側部および尾側部において,動脈圧受容器からの入刀を受ける心臓血管ニュ-ロンを探索した。頭側部および尾側部におけるこれらのニュ-ロンの関係を、電気生理学的および神経化学的に解析した結果,尾側部のニュ-ロンは,頭側部の心臓血管ニュ-ロンに抑制性の入力を送り,これが動脈圧受容器反射における交感神経の抑制と血圧下降の原因であることを証明した。これまで,尾側部が動脈圧受容器反射に関与していることは間接的証拠から示唆されていたが,これを直接に証明したのは,この研究が初めてである。
さらに,延髓腹外側野の化学感受性を研究するべく,血管作動性ペプチドにたいする化学感受性について調べた。すなわち,最近発見された強力な内因性血管収縮物質であるエンドセリンをラットの大槽内または延髓の局所に微量注入しておこる動脈圧,心拍数,交感神経活動にたいする反応を調べた。エンドセリンの微量投与により,上記のパラメ-タは特定なパタ-ンの反応を起こし,その主要な作用部位が延髓腹外側野であることが見出された。
以上,延髓腹外側野の血圧調節における役割を電気生理学的および神経化学的面から研究したのが,本年度の研究実績である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kuwaki,T.: "Modullatory effects of rat endothelin on central cardiovascular control in rats." Japanese Journal of physiology. 40. 97-116 (1990)

  • [文献書誌] Terui,N.: "Respiratory-related activity of sympathoexcitatory neurons in the rostral ventrolateral medulla." Neuroscience Research. 9. S35 (1989)

  • [文献書誌] Kuwaki,T.: "Effect of intracisternal injection of rat endothelin on central neural control of arterial pressure." Japanese Journal of physiology. 39. S227 (1989)

  • [文献書誌] Kumada,M.: "VLM(ventrolateral medulla)" Clinical Neuroscience. 8. 108 (1990)

  • [文献書誌] 熊田衛: "セロトニンと中枢性血圧調節" 代謝. 26. 149-154 (1989)

  • [文献書誌] Kumada,M.: "Arterial baroreceptor reflex:Its central and peripheral neural mechanisms" Progress in Neurobiology. (1990)

  • [文献書誌] 熊田衛: "中枢性循環調節(入澤,熊田編「新生理学体系」第16巻「循環の生理学」中)" 医学書院, (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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