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1988 年度 実績報告書

パッチ・クランプ法による培養神経細胞マスカリン性伝達の制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 62570066
研究機関久留米大学

研究代表者

時政 孝行  久留米大学, 医学部, 助教授 (50155511)

研究分担者 西村 俊彦  久留米大学, 医学部, 助手 (30172696)
キーワードwhole-cell clamp / M電流 / H電流 / 細胞内ATP / C-kinase / adenylate cyclase / G蛋白 / マスカリン性受容体
研究概要

培養したウシ蛙交感神経節細胞及び後根神経節細胞よりwhole-cell patch-clampを行った。マスカリン感受性の所謂M電流を観察する為には、ピペット液内に加水分解型のATPが含まれていなければならなかった。M電流の細胞内ATP依存性の詳細な機序は尚研究中であるが、今年度はピペット内にATP(5mM)を存在させて実験を行なった。M電流はマスカリン或は、黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)により、可逆的に抑制される事が確認された。ところが、ピペット液内に非加水分解型のGTPアナログであるGTPーγーS(10ー30μM)が存在した場合には、マスカリン及びLHRHによるM電流の抑制は不可逆性になってしまった。以上の実験結果より、マスカリン性受体とMチャネルの間にGTPー依存性蛋白(G蛋白)が介在する事は明らかである。同様の実験結果が、細胞外から作用させたATP(有効濃度は1μM以下)により観察されたので、ATP受容体の活性化も又G蛋白を介して、M電流を抑制している事が明らかになった。フォルボール化合物がM電流抑制作用を示す事から、マスカリン性受容体の細胞内伝達物質はCーkinaseであると推定された。一方、adenylate cyclaseの活性化物質であるforskolinはM電流に作用する事なしに内向き整流性Na^+/K^+混合電流(H電流)を特異的に活性化する事が明らかになった。H電流はマスカリンに非感受性であり、細胞外ATPにも非感受性であるが、M電流と同様の細胞内ATP依存性を示し、細胞内GTPーγーSにより不可逆性に活性化された。本年度の研究により、単一の神経細胞内に、2つの膜電位依存性電流を効果器とする2つの細胞内伝達機構が共存する事が明らかになり、マスカリン性受容体はそのうちの1つ、即ちCーkinase→M電流系のみにカップルしていると結論するに至った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Tokimasa,T.: Journal of Autonomic Nervous System. 24. 123-131 (1988)

  • [文献書誌] Williams,J.T.: Journal of Neuroscience. 8. 4299-4306 (1988)

  • [文献書誌] Galligan,J.J.: British Journal of Pharmacology. 96. 198-203 (1989)

  • [文献書誌] Tokimasa,T.: Neuroscience. (1989)

  • [文献書誌] Akasu,T.: Journal of Physiology. (1989)

  • [文献書誌] Cherubini,E.: Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics. (1989)

  • [文献書誌] Akasu,T.: "Central Cholinergic Synaptic Transmission" Birkhauser Verlag A G, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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