| 研究概要 |
神経伝達物質のうちモノアミン化学物質がアミン作働性神経系の興奮を起こし, 動物の行動を制御し, かつ調節している事はよく知られている. アミン含有量に異常があり, かつ行動にも変化がある動物を使い, 両者の定量化が可能であれば, アミン量と行動量との両者の相関性の有無が検索できる可能性が考えられる. この代表的なモデルとして, 高血圧自然発症ラットはその脳内アミン含有量の低下とオペラント学習行動量の増加を示し, 既に定量的に確認している.
そして, 本研究課題であるラットが実際に行っているオペラント学習行動の最中に, 脳内アミン含有量がどのように変化するかを調べた. 脳内アミン含有量の測定は高速液体クロマトグラフ(HPLC)およびin vivo voltammetry法による定量方法で, 一致した値を得ることが可能であった.
特に, 後者のin vivo voltammetry法は, ラットが自由行動下に動いて実験を行っている最中の脳内変化を測定することが可能であるため, 非常に重要な成績が得られ, かつ意味深い方法である.
in vivo voltammetryによる今回の定量はガラス電極を使う方法であり, スキナー箱での学習行動中に誘導し検出する間に, ガラス電極の破損が先行して不成功に終った. 理論的には可能な方法であり, 得られるデーターは貴重であると考えられたが, ガラス電極を埋め込んだラットをスチール製のスキナー箱で動いているラットから直接記録することは難しかった.
従って, in vivo voltammetryによる定量はガラス電極に換えて, 透析膜法を導入して試みる新しい方法に切り替え, 現在実験を行っている.
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