研究課題/領域番号 |
62570088
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北山 滋雄 広島大学, 歯学部, 助手 (80177873)
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研究分担者 |
辻本 明 広島大学, 歯学部, 教授 (90034181)
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キーワード | γ-アミノ酪酸 / 副腎髄質 / クロマフィン細胞 / カテュールアミン遊離ニューロモジュレーター / カルシウムイオン / ベンゾジアゼピン / 膜電位 |
研究概要 |
γ-アミノ酪酸(GABA)の副腎髄質カテコールアミン(CA)遊離における役割について引き続き研究を行ない、前年度の結果により得られたGABAのCA遊離増強作用とCa^2^+流入促進の関与の可能性についてさらに検討を加えた。 1.イヌ副腎クロマフィン細胞の単離・培養を確立し、これを用いてGABAがCA遊離を濃度依存的に促進することを示した。このGABAのCA遊離作用はウシのそれと比べ著明に大きいものであった。 2.ウシ単離培養クロマフィン細胞において、GABAによるCA遊離、並びに^<45>Ca取り込みは外液Cl^-除去によりその前処置時間に依存して抑制された。このことは細胞内Cl^-の枯渇がGABAの作用を抑制することを示唆しており、GABA刺激によって生ずるCl^-流出が細胞を脱分極させCa^2^+の流入、Ca遊離を生ずると考えられる。 3.膜電位指示放射性物質の〔^3H〕tetra phenyl phosphonium(TPP)によりウシ単離培養クロマフィン細胞の膜電位を測定し、電気生理学的手法で得られた文献値とほぼ一致する静止膜電位並びに外液K^+濃度変化に応じた脱分極を観察した。GABAはこの系において〔^3H〕TPP取り込みに影響しなかった。 4.今後、ウシ単離クロマフィン細胞分散細胞系において、膜電位感受性螢光色素(oxonol)、並びに細胞内Ca^2^+濃度指示螢光物質(quin2)を用い、GABAの膜電位、細胞内Ca^2^+濃度に及ぼす影響の有無について検索していく予定である。
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