研究概要 |
1.電位依存性Naチャンネル:^3H-サキシトキシン結合は, Kd5.8nM, Bmax427.2fmoles/10^7cellsであった. α-サソリ毒, イソギンチャク毒は, ヴェラトリジン, アコニチンによる^<22>Na流入を著しく増強した. サキシトキシンは, これらの神経毒による^<22>Na流入を抑制した(IC_<50>9.2nM)(雑誌論文1)が, μ-コノトキシンは阻害せず(雑誌論文2), 副腎髄質細胞のNaチャンネルが神経組織のそれと類似していることを示した. さらに, 細胞内へのNa流入, Ca流入に依存して, Naチャンネルの密度が減少(down-regulation)することも認めている(雑誌論文3). 2.Kチャンネル:細胞外への^<86>Rb流出を測定し, 副腎髄質細胞には, 電位依存性Kチャンネル, Ca依存性Kチャンネルの存在すること, また, カルバコール, ヴェラトリジンは主として前者のKチャンネルを, 高濃度Kは主として後者のKチャンネルを, 活性化することを示した(雑誌論文4). 3.^3H-フェンサイクリジンは, 受容体-イオンチャンネル(Kd4.3μM), 電位依存性Naチャンネル(Kd77.4μM)に結合した. フェンサイクリジン(≦10μM)はカルバコールによる^<22>Na流入のみを阻害したが, 高濃度(10μM<)ではヴェラトリジンによる^<22>Na流入をも抑制した. この薬物は, 電位依存性Caチャンネル, Kチャンネルを阻害しないが, Na流入を抑制することにより, 二次的に, Ca流入, K流出, カテコールアミン分泌を低下させる(雑誌論文5). 4.三環系, 四環系抗うつ薬が, 受容体-イオン・チャンネル, 電位依存性Naチャンネルに結合することを^3H-イミプラミンを用いた実験で示し, これらの抗うつ薬が, Na流入を抑制することによりCa流入, カテコールアミン分泌を著しく低下させることを示した(雑誌論文6). 5.アセチルコリン受容体, 電位依存性Caチャンネル, Na,K-ATPaseの動態に関しては, 実験準備中である.
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