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1987 年度 実績報告書

プロテインホスファターゼの活性調節に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570109
研究機関広島大学

研究代表者

武田 誠郎  広島大学, 医学部, 教授 (40030853)

研究分担者 東 和義  広島大学, 医学部, 助手 (50127601)
碓井 裕史  広島大学, 医学部, 助教授 (40127618)
キーワードプロテインホスファターゼ / 蛋白質脱リン酸化酵素 / 蛋白質のリン酸化-脱リン酸化 / 代謝調節 / サブユニット構造 / 赤血球 / 酵素の活性調節
研究概要

プロテテインホスファタ-ゼは蛋白性インヒビタ-により阻害されるタイプ1、されないタイプ2A、2B、2Cに分類される。この内2Aの活性調節機構は不明である。我々はヒト赤血球細胞質可溶画分に2Aに属する基質特異性の異なるホスファタ-ゼI(Mr=180,000)、III(Mr=177,000)、IV(Mr=104,000)を見出し、これらを均質に精製した。サブユニット構造はIがα_1、β_1、δ_1、IIIがα_1、β_1γ_1、IVがα_12β_1と推定された。SDS-PAGEで算出した分子質量はαが34kDa、βが63kDa、γが53kDa、δが74kDaである。各酵素の分子活性をホスホリラ-ゼa、P-スペクトリン、P-H/ヒストン、P-H2Bヒストンを基質として求め、各サブユニットの機能を推測した。αは触媒サブユニットでこれにβが結合すると、P-H/とヒストンホスファタ-ゼ活性は促進されるがホスホリラ-ゼa及びP-H2Bヒストンに対する活性は抑制される。γはα_1β_1に結合しP-ヒストンホスファタ-ゼ活性を促進するが、他の基質に対する活性は抑制する。δはα_1β_1に結合し全てのホスファタ-ゼ活性を強く抑制する。αにβが結合するとP-H2Bヒストンに対する活性がMg^<2+>、Mn^<2+>で促進される。α_1β_1にδが結合するとその促進効果は消失した。α_1β_1及びα_1β_1γ_1のホスホリラ-ゼの脱リン酸化は基質濃度の1/4〜1/10のプロタミン又はポリリジンで2〜5倍促進を受けた。しかしαの反応はこれらのポリカチオンで活性化を受けない。これらのポリカチオンは少なくとも一部は酵素に作用し、α、β、γはこの活性化に促進的に働くと推定された。α_1β_1δ_1の反応はα_1β_1の反応に比べ、より高濃度のポリカチオンをその促進に要求し、活性化の程度も低いことからδはβの作用を打ち消すように働くことが示唆された。以上よりβはαに結合し、γ、δはα_1β_1に結合し基質特異性、及び金属イオン又はポリカチオンに対する感受性に変化を与えることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Teiji Imaoka: Journal of Biological Chemistry. 258. (1526-1535)

  • [文献書誌] Hirofumi Usui: Journal of Biological Chemistry. 258. (10455-10463)

  • [文献書誌] Nobuhisa Kinohara: Journal of Biochemistry. 95. (597-600)

  • [文献書誌] Hirofumi Usui: Journal of Biological Chemistry. 263. (1988)

  • [文献書誌] Masao Takeda: "Advances in Protein Phosphatases" Leuven University Press, 397 (1985)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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