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1988 年度 実績報告書

肥満細胞の脱顆粒機序に関するキマーゼの限定分解とプロテインキナーゼの活性化

研究課題

研究課題/領域番号 62570113
研究機関徳島大学

研究代表者

木戸 博  酵素科学研究センター, 酵素化学部門, 助手 (50144978)

キーワード肥満細胞 / ピネタミン / 脱顆粒 / キマーゼ / プロテインキナーゼC / キモトリプシンインヒビター / トリプターゼ
研究概要

我々の従来の研究により、肥満細胞顆粒中に局在する、二種のセリン性プロテアーゼのChymaseとTryptaseのうちChymaseに対する特異抗体、基質類似体、および特異的インヒビターが、肥満細胞からのヒスタミン顆粒の放出を阻止するが、Tryptaseの特異的インヒビターでは阻止できないことを見出してきた。
昭和63年度の研究によりChymaseの特異的インヒビターおよび抗Chymase抗体F(ab´)2が肥満細胞顆粒に取りこまれ、ヒスタミン分泌を阻止するが、単に肥満細胞膜に結合しただけではヒスタミン分泌が止まらないことを明らかにした。さらにこれ等のインヒビターと、抗体はIgEレセプターの架橋に引き続く肥満細胞内蛋白のプロテインキナーゼCによるリン酸化を阻止することを見出した。
方Chymase活性は、肥満細胞顆粒に共存するトリプターゼの強い活性阻害剤のトリプスタチンによっても、阻害されることが明らかとなり、ヒスタミン分泌過程におけるChymaseとトリプスタチン相互の関係を明らかにすることが必要となった。そこで昭和64年度にトリプスタチンの精製と一次構造の決定を行ない、Chymaseに対する阻害様式を決定した。トリプスタチンはkuritz型インヒビターでトリプターゼとChymaseに対するリプスタチンのki値はそれぞれ3.6×10^<-10>Mと2.4×10^<-8>Mで、通常トリプターゼと結合して、Chymaseの活性調節に直接関与していないことが推定された。以上の結果を基に、IgEレセプター架橋によるChymaseの活性化にいかなる情報遺伝物質が関与しているか、さらにChymaseによるプロテインキナーゼCの活性化機構を追求している。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Naomi Fukusen: Biochem.Med.Metab.Biol.38. 165-169 (1987)

  • [文献書誌] Hiroshi Kido: Biol.Chem.Hoppe-Seyler. 369. 95-100 (1988)

  • [文献書誌] Yasuhisa Kato: J.Biochem.(Tokyo). 103. 820-822 (1988)

  • [文献書誌] Hiroshi Kido: J.Biol.Chem.263. 18104-18108 (1988)

  • [文献書誌] Nobuhiko Katunuma: J.Cell.Biochem.38. 291-301 (1988)

  • [文献書誌] 木戸博: 最新医学社. 43. 770-775 (1988)

  • [文献書誌] 木戸博: 代謝. 25. 187-192 (1988)

  • [文献書誌] 木戸博: 細胞工学. 17. 851-857 (1988)

  • [文献書誌] Hiroshi Kidoi: "Mechanism and Regulation of Intracellular Proteolysis" Japan Sci.Soc.Press, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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