研究概要 |
1.上皮生長因子(EGF)-緑膿菌毒素(PE)複合体(EGF-PE)とトランスフェリン(TF)にリシンA鎖(RA)を結合させた複合体(TF-RA)を作製した. 2.EGF-PE, TF-RAを高温(39゜C)でヒト癌KB細胞に取り込ませそのあと低温(34゜C)にして培養することにより温度感受性のエンドサイトーシス欠損株を3株分離した. 当初予想したより変異株の出現率は低かったが, その理由とし39゜Cで温度感受性エンドサイトーシス欠損株の受容体に結合して取り込まれないでいた毒素複合体が34゜Cにした時に取り込まれて分離しようとしている変異株をも殺してしまうことが考えられる. 現在RA, PEに対する抗体を作製中であり, 温度を34゜Cに低下させる前にこれらの抗体を培地に入れることにより, さらに多くの変異株を分離しようとしている. 3.上記の実験と伴行して, KB細胞よりさらに多くの変異株を分離するために, TF-RA, ジフテリア毒素(DT), PE, の存在下に39゜Cで24hrKB細胞を培養し, トリプシン処理をしたあと温度を34゜Cに下降させ培養することにより, 高温でこれらの毒素に同時に耐性な変異株を10株分離できた. これらの変異株について現在変異部位の解析を行っている.
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