本年度はfalse mycosisとして約150例の標本を募集し、ヘマトキシリンエオシン染色、PAS染色、Grocott染色、Gram染色、Elastica van Gieson染色 MalloryのAZAN染色、Berlin・blue鉄反応、Kossaの石灰反応をルーチンとして行ない、真菌類似小体の形態および染色性を検討した。 そして、アルダクトン小体、円形の硝子様小体、ラッセル小体、石灰沈着、血液由来の色素と思われる類晶体、類澱粉小体、縫合糸、血管内注入物質、組織標本作成過程における微生物汚染等について検討した。 病巣内に存在する病原真菌は常に明確な輪郭と構造をもっている。また、真菌がヘマトキシリン・エオシン標本で観察される場合には細胞壁がやや濃染し、細胞形質が濃染し、エオシンに濃染することは例外的である。このような真菌の染色性と共にGrocott染色で染まるものは真菌類似小体では例外的であることを確めた。
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