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1988 年度 実績報告書

老化マウスを用いた造血系老化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570160
研究機関新潟大学

研究代表者

森 和博  新潟大学, 理学部, 教授 (90025635)

キーワード老化 / 老化促進マウス / 造血 / 造血幹細胞 / 白血球前駆細胞
研究概要

作年度は脳に早期にアミロイドーシスが起り寿命の短縮の見られる老化促進マウス(SAM-P)と対照マウス(SAM-R)の加令に伴う造血系の変動を調べたが、その結果SAM-Rにおていも白血球前駆細胞の著明な減少がみられ正常対照とならないことが分かった。さらにAKR由来といわれていたこれらのマウスが系統不明であるとが判明した。
そこで本年度は正常対照マウスとしてddY、BDF_1の二系統マウスを用いSAM-Pと合わせて全てのデーターをとり直した。
老化促進マウスSAM-P/1では、造血幹細胞(CFU-S)、白血球前駆細胞(GM-CFC)共に骨髄において密度が40%、総数が80%と8週令から33週令の間に大きく減少した。一方脾においては、8週令に比して33週令でも幹細胞数、密度の変動はみられなかったが、白血球前駆細胞は30%にまで減少していた。脾造血細胞の全身造血系(骨髄が92〜95%を占める)における比率は5〜8%であるので、幹細胞・前駆細胞共に加令に伴って著明な減少が起こっていることになる。
対照としたddy、BDF_1マウスでは、このような減少はみられず、1年後でも8週令値の120〜160%と成長に伴う幹細胞・前駆細胞数の増加がみられた。ただしBDF_1では2年令において脾における白血球前駆細胞の軽度(8週令値の80%)の減少がみられたが、この値は全身的には無視できる。以上より、老化促進マウスでは脾における幹細胞から白血球前駆細胞への分化、さらには白血球への分化(50%減少)の低下が起り、おそらくこれを補償するために骨髄から脾への幹細胞の移動が高進しているものと思われる。本研究は造血系の老化を明確に示した世界でもおそらくはじめての成果であるが、森の京都から新潟への移動、新潟での研究室の修理・セットアップのために研究遂行に半年〜1年のブランクが生じ、所期の目標達成にはさらに研究続行の必要がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Itoh,Katuhiko: Exp.Hematol.17. 145-153 (1989)

  • [文献書誌] Itoh,Katuhiko: Leuk.Res.12. 471-478 (1988)

  • [文献書誌] Sawada,Hitoshi: Leuk.Res.12. 763-771 (1988)

  • [文献書誌] Itoh,Katuhiko: Jpn.J.Cancer Res.79. 931-937 (1988)

  • [文献書誌] Sakoda,Hiroto: Exp.Hematol.,. (1989)

  • [文献書誌] Hisha-Izumi,Hiroko: Submitted.

  • [文献書誌] 鶴沢正仁(日本生化学会編): "続、生化学実験講座(コロニー増因子(CPA)の測定法)" 東京化学同人社, 31-35 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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