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1987 年度 実績報告書

モノクローナル抗体を用いたヒト癌遺伝子retの分子病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570168
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

高橋 雅英  愛知県がんセンター研究所, 病理学第2部, 研究員 (40183446)

キーワードret遺伝子 / rfp遺伝子 / 癌遺伝子 / モノクローナル抗体 / 合成ペプチド
研究概要

ret癌遺伝子は増殖因子レセプターと類似の構造をとるチロシンキナーゼ遺伝子の5'側に未知の遺伝子が融合し 活性化された遺伝子である. 我々はret遺伝子に対する抗体を作製するため, そのcDNAから予想される15-20アミノ酸からなる3種のペプチドを合成した. このうち2種はキナーゼ遺伝子の一部に相当し, 他の1種は5´側に融合した遺伝子の一部に相当した. これらのペプチドをBSAをキャリアーとしてウサギに数回免疫した結果, 5´側の未知の遺伝子(以下Hp遺伝子と呼ぶ)部分に対する有用な抗血清を得ることに成功した. この抗rfpウサギ血清は合成ペプチドと酸素抗体法にて, 12800倍希釈まで反応を示した. さらにこの抗血清は免疫沈降法にて人工的に作製したrfp遺伝子産物と反応した. rfp遺伝子産物の合成はrfpcDNAをPGEM4プラスミッドに結合後Tm7RNAポリメラーゼで人工的にrfpRNAを合成し, このmRNAをウサギ網状赤血球ライセート中で翻訳させる方法を用いた. この方法により合成されたrfp遺伝子産物の分子量は約56KDでありCDNAから予想される分子量とほぼ一致した. rfp遺伝子産物は免疫沈降法にて正常ウサギ血清とは反応せず, 抗rtp血清とのみ反応した. さらにこの抗rfp血清の特異性を検定するため, 合成ペプチドによる吸収実験を計画中である. 次に我々は抗rfpモノクローナル抗体を得るために合成ペプチドをBALB/Cマウスに免疫した. その結果, ペプチドと反応する1つのクローンが得られ, 免疫グロブリンのクラスはIgMであった. このモノクローナル抗体を用いて前述の抗rfpウサギ血清での実験と同様に免疫沈降法を行なったところ, モノクローナに抗体はウサギ血清に比較して100倍以上反応性は弱かったもののrfp遺伝子産物を検出することが出来た. 我々はウエスタンブロット法によりさらにこのモノクローナル抗体の有用性について検討しつつある.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高田 雅英: Molecular and Cellular Biology. 7. 1378-1385 (1987)

  • [文献書誌] 高橋 雅英: Molecular and Cellular Biology. 8. (1988)

  • [文献書誌] 高橋 雅英: "癌遺伝子研究 最近の進歩" 中外医学社, (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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