研究課題/領域番号 |
62570176
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
村主 節雄 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00032897)
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研究分担者 |
原田 正和 香川医科大学, 医学部, 助手 (90127580)
佐藤 忠文 香川医科大学, 医学部, 助教授 (20032815)
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キーワード | 吸血蚊 / 人特異DNAプルーブ / ドットハイブリダイゼーション / 人獣血識別 |
研究概要 |
フィールドから採取した吸血蚊について、その血液が人由来であるか、家畜等の他種動物由来であるかを識別する方法の確立を目指している。今回下記の二つの問題解決に重点をおいてヒト特異DNAプルーブを利用した検知方法の改良を試みた。即ち、第一はプルーブに放射性標識が用いられる煩わしさ、第二はヒト特異配列を持つ適切なDNA断片を選び出すこと、の二点である。 結果 1.ヒトkpn-1、免疫グロブリンε1の各遺伝子についてニックトランスレーションによるビオチン標識を行った。その際、ハイブリダイゼーション液のプルーブの濃度を200ng/mlとした。人血液からプロテアーゼkなどを用いて抽出したDNAをsimple dilutionによって希釈した各1μlのドットについてハイブリダイゼーションを行なったところ、数ng〜10ng/μl量のDNAが検知可能であることが判明した。なお、蚊一個体当りの吸血血液DNA量は1.2μg〜4.6μgであり、十分検知が可能である。 2.ヒト、サル、イヌ、ウシ、ブタ、ラット、ヒツジの各血液より抽出したDNAについて上記3種プルーブの特異性を検定した。kpn-1プルーブはヒト特異的であったが、他の二つのプルーブはそれら獣血と交叉反応を示した。kpn-1プルーブはヒト-サル間識別はなし得ないが、その他の獣類血とヒトを明確に識別することができる。吸血蚊中のヒト血球からのDNAは吸血後数日を経た乾燥血液を用いても被験資料として供用可能であることから、これまで進めてきた免疫化学方法と併用すれば、フィールドでのhuman blood indexの算出に有用であると思われる。
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