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1987 年度 実績報告書

蠕虫感染にともなうヒトのIgE産生機構とその動態

研究課題

研究課題/領域番号 62570183
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

渡辺 直煕  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00057019)

キーワードIgE / FcεRリンパ球 / IgE結合因子 / 自発的IgE産生 / 抗IgE自己抗体 / 補体レセプター / 肝吸虫症 / 肺吸虫症 / 包虫症 / 鉤虫症 / 蠕虫感染
研究概要

IgEの産生は蠕虫感染に特徴的な宿主反応である. しかしながら, 感染によるヒトのIgE産生の機序についてはほとんど解析が行われていない. 本研究は, 患者の末梢血を材料として以下の検討を行った.
1.FcεRリンパ球:IgE産生の調節に関与するとされるFcεRリンパ球について各種のモノクローナル抗体で螢光染色し, フローサイトメトリーによる解析を行った. 肝吸虫症および包虫症患者のFcεR陽性リンパ球の大部分はBリンパ球で, その発現頻度は健常人のそれと同等であった. またFcεRをもつリンパ球のほとんどが補体レセプターをも発現していた. さらにFcεRは37°C30分の培養で細胞表面から遊離することが判明した.
2.IgE結合因子:IgE産生調節因子とされるIgE結合因子を2種のモノクローナル抗体を用いて定量した. 肝吸虫症患者の血清中のIgE結合因子量は健常人の平均と有意な差を認めなかった. FcεRおよびIgE結合因子の結果から, 蠕虫症におけるIgEの産生は, アトピー等の高IgEとは異り, 健常人の背景を保ったまま高IgEとなっていることが示唆された.
3.自発的IgE産生細胞:肝吸虫症患者の末梢血からBリンパ球のみを分離し培養すると自発的IgE産生を起す. この細胞は, 抗原, Tリンパ球, マクロファージの助けなしにIgEを産生し, X線照射に耐性で, 抗IgE抗体による処理でIgE産生の抑制を起す性質をもつ. 蠕虫症の持続的高IgEの機序として自発的IgE産生細胞の関与が示唆された.
4.抗IgE自己抗体:鉤虫症および肺吸虫症患者の血清中には, 抗IgE自己抗体が検出された. これはIgGで血清中の総IgE値と相関した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 富田 有祐: 日本臨牀. 45. 1741-1746 (1987)

  • [文献書誌] 縄田 泰史: 医学のあゆみ. 144. 105-106 (1988)

  • [文献書誌] Watanabe,N.: Am.J.Trop.Med.Hyg.IN PRESS (1988)

  • [文献書誌] Joh,K.: J.Clin.Immunol.(1988)

  • [文献書誌] 縄田 泰史: アレルギー. (1988)

  • [文献書誌] Watanabe,N.: Exp.Parasitol.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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