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1988 年度 実績報告書

実験カンジダ症の免疫機序と免疫療法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570187
研究機関山梨医科大学

研究代表者

深川 義村  山梨医科大学, 医学部, 教授 (10087760)

研究分担者 加賀谷 けい子  山梨医科大学, 医学部, 助手 (60112984)
キーワードγ-インターフェロン / 抗マンナン抗体 / 活性化マクロファージ / 殺菌機構 / アンホテリシンB / 免疫療法 / 実験カンジダ症 / Candida albicans
研究概要

1.昨年度に引き続き、組換え型γ-インターフェロン(rIFN-γ)によるマウス腹腔マクロファージ(MP)のCandida albicansによる殺菌能亢進の機序を解析した。その結果、C.alb.食菌後の食胞とリソソームの融合は高頻度で起こり、コルヒチンによるMPの食胞とリソソームの融合阻害はrIFN-γ活性化MPの殺菌能を低下させることが示された。さらに、高い殺菌能を示すrIFN-γ24時間刺激MPと、殺菌能が減弱しているrIFN-γ72時間刺激MPからそれぞれ抽出した塩基性蛋白質のC.alb.に対する殺菌活性を測定した結果、24時間刺激MPの塩基性蛋白質の殺菌活性は正常MPのそれよりも高かったが、72時間刺激MPの塩基性蛋白質の殺菌活性は正常MPのそれと同様であった。これらの結果は、rIFN-γ活性化MPのC.alb.に対する殺菌能亢進はリソソーム内に通常存在する殺菌性物質の増量または新たな殺菌性物質の誘導によることを示唆する。
2.抗C.alb.マンナンモノクローナル抗体(MAb)はC.alb.のrIFN-γ活性化MP内における殺菌には影響しなかったが、活性化MP内におけるC.alb.の発芽管の伸長を抑制することが示された。正常MPにおいてはMAbの効果は認められなかった。
3.抗真菌剤アンホテリシンB(AMB)存在下でC.alb.を食菌させた場合に、正常MPによる殺菌には変化はみられなかったが、rIFN-γ活性化MPによる殺菌はさらに増強された。
4.rIFN-γ投与マウスにおいてはC.alb.感染後の菌の腎臓内増殖の抑制が認められた。rIFN-γとMAbの両者を投与した場合、およびrIFN-γ投与マウスに単独では効果を示さない量のMAbを感染2時間前に投与した場合には、菌の増殖抑制はより顕著に認められた。以上の結果は、カンジダ症に対する感染防御には細胞性免疫と体液性免疫の協同作用が必要であることを示しており、またrIFN-γと抗マンナン抗体による免疫療法および免疫療法と化学療法の併用の有効性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kagaya,K.et al.: Current Problems of Opportunistic Fungal Infection--Proceedings of the 4th International Symposium of the Research Center for Pathogenic Fungi and Microbial Toxicoses,Chiba Univ.(. 136-139 (1989)

  • [文献書誌] Kagaya,K.et al.: Infection and Immunity.

  • [文献書誌] 加賀けい子 他: 真菌と真菌症.

  • [文献書誌] Kagaya,K.et al.: Microbiology and Immunology.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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