研究課題/領域番号 |
62570198
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
櫻井 純 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80029800)
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研究分担者 |
小林 敬子 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (90170315)
永浜 政博 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (40164462)
藤井 儀夫 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (60122587)
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キーワード | ウェルシュ菌 / α毒素 / 腸管 / 回腸 / 収縮 / Caチャンネル / プロテインキナーゼC / アラキドン酸 |
研究概要 |
我々は、既に、ラット腸管組織が、α毒素によって収縮すること、そして、その収縮作用は、Naチャンネルブロッカー、神経遮断薬によって阻害されないことから、神経系を介してでなく、腸管組織に対する直接作用で収縮が引き起こされることを明らかにしている。昭和63年度に明らかにされたことは下記のようである。1)α毒素による腸管収縮作用は、Caチャンネル阻害剤(ベラパミル、ニフェジピン、シンナリジン)、Ca細胞内遊離阻害剤(TMBー8)によって阻害されること、2)毒素量と収縮作用、そして、毒素量と組織への^<45>Ca取り込み量との関係は、いずれも用量依存的であること、3)あらかじめ〔^<32>P〕オルトリン酸存在下ラット摘出腸管組織片を保湿後、毒素処理すると、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸のde novo合成が促進されること(ただし、ホスファチジルエタノールアミン生成は影響されない)、4)毒素処理しても遊離アラキドン酸量は変化しないこと、さらに、サイクロオキシゲナーゼ阻害剤(インドメタシン、アスピリン)は、本毒素作用を阻害しないこと、4)毒素作用は、カルモジュリン阻害剤(Wー7、トリフロロペラジン)によって阻害されること、5)プロティンキナーゼC阻害剤(Hー1)は、毒素作用を用量依存的に阻害することが判明した。これらの結果から、α毒素による腸管収縮作用は、毒素によって細胞膜のリン脂質代謝が亢進され、その結果、Ca流入が促進されて細胞内Ca濃度の増加、そして、Ca^-カルモジュリン複合体形成、さらには、プロティンキナーゼCの活性化がおこり、最終的に、腸管収縮が引き起こされるものと推察される。
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