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1988 年度 実績報告書

単純ヘルペスウイルスの分子疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570200
研究機関北海道大学

研究代表者

坂岡 博  北海道大学, 歯学部, 助教授 (40000947)

研究分担者 青森 継充  北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (50133765)
関根 潔  北海道大学, 歯学部, 助手 (70113579)
キーワード単純ヘルペスウイルス / 分子疫学 / 制限酵素 / 遺伝子 / 変異 / 進化
研究概要

1.単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)分離株鑑別の判定基準を得るため、(1)HSV-1ゲノム(F株)マップユニット0.47付近にあり、BamHIDとSalIBが共有し、更に分離株間で大きさの異なる7kb(BS7)のゲノムをクローニングした。(2)BS7を更にSmaIで切断し切断地図を作製したところ、12断片があることが分った。(3)株間、クローン間で大きさの異なる断片はこのうち、左端(5'末端)から3番目の断片(0.23Sm)にあることが分った。(4)0.23Smを再クローニングし、これをプローブとして約200のHSV-1分離株間、5つのHSV-1クローン(nHS)間で同部の大きさの差異をしらべたところ、各600bp、100bpの差がみられた。(5)F株の0.23Smの塩基配列をしらべたところ、5'-TTGGGGCTGGGG-3'の12bpが15コピーあることが分った。以上から、BS7の大きさがHSV-1株間、クローン間で異なるのは同部にある反復配列のコピー数が容易に変異するためであること、反復配列を含む断片の大きさは株鑑別の判定基準に用いられないことが分った。
2.制限酵素によるa切断点の獲得、b切断点の欠如、をHSV株鑑別の判定基準として、米国ウエルカム研究所より送られた、多数の米国人由来HSV株を日本人、スウェーデン人、ケニア人から分離した株と比較した。その結果、(1)米国人には特定の頻度の高い優勢な切断パターンのHSV-1、HSV-2株が潜伏感染しながら分布していることが分った。(2)しかしながら、そのHSVゲノムは日本人HSV株よりも米国人の主体を占めている同じコーカソイドに属するスウェーデン人由来株と切断パターンが類以していることが分った。(3)また、日本人、スウェーデン人、ケニア人の主要な株と米国人由来のHSV-1、HSV-2を用いて樹形図を作製した。以上の結果から、現在世界各国に分布しているHSV株は人類の変化(進化)と共に進化していることが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 郷路勉、熊本悦明、広瀬崇興、坂岡博: 臨床皮膚科. 42. 1025-1030 (1988)

  • [文献書誌] 熊本悦明、広瀬崇興、坂岡博 他: 泌尿紀要. 34. 383-393 (1988)

  • [文献書誌] 坂岡博: 最新医学. 44. 18-23 (1989)

  • [文献書誌] 坂岡博: 日本臨床. 47. 324-330 (1989)

  • [文献書誌] 坂岡博、藤永薫: 日本臨床:1989年春季特別号. (1989)

  • [文献書誌] Hitoshi,Saito;Hiroshi,Sakaoka;Toshiharu,Yamashita;Kei Fujinaga: Journal of General Virology. 70. 443-448 (1989)

  • [文献書誌] 日沼頼夫 編 坂岡博: "ウイルスの臨床検査、単純ヘルペスウイルス(臨床検査MOOK,No.28)" 金原出版, 186-193 (1988)

  • [文献書誌] 菊地浩吉 編 坂岡博: "医科免疫学、改訂第3版 第5章 抗原抗体反応 第9章 感染症と免疫" 南江堂, 93 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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