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1988 年度 実績報告書

インターフェロンの抗ウイルス作用機構:2ー5A合成酵素生産細胞による解析

研究課題

研究課題/領域番号 62570202
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

宗川 克汪  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (30012727)

キーワード2ー5A合成酵素 / 遺伝子工学 / ウイルス増殖 / 細胞増殖 / フィードバック阻害
研究概要

1.2ー5A合成酵素の機能を知る目的で、ヒト2ー5A合成酵素を生産するマウス細胞を作製した。ヒト酵素cDNAをSV40プロモーターの下流に接続するようにプラスミドに組込み、neo遺伝子と共にマウスL929細胞に導入した。生じたG418耐性細胞からヒト2ー5A合成酵素を生産する3種の細胞株、LAS0、FAS3、LAS4、を得た。これらの細胞にVSV、EMCVを感染させL929と比較したところ、LAS0とLAS4では1/100〜1/1000の増殖であった。一方、LAS3におけるVSVの増殖はL929と同程度であったが、EMCVは1/1000程度であった。細胞の増殖速度を調べたところ、LAS0、LAS3、LAS4ともにL929に比べて倍加時間が延長し、それは細胞内の2ー5A合成酵素レベルに相関した。以上の結果は、IFNによって誘導される種々の酵素とは独立に、2ー5A合成酵素が単独で細胞にウイルス増殖に対する抵抗性、ならびに細胞増殖抑制性を賦与することを示している。
2.ヒトHeLaS3細胞の増殖における2ー5A合成酵素の役割を検討した。血清無添加培地で増殖が抑制されたHeLa細胞に、血清、PDGF、EGF、インスリンを加えると2ー5A合成酵素が誘導された。この誘導は抗IFN-β中和抗体によって抑制されたことから、増殖因子は、まず、IFN-βを誘導し、それが2ー5A合成酵素の生産を引き起したと考えられる。つぎに、抗IFN-β抗体存在下で、増殖誘導後のHeLa細胞のDNA合成を続時的に調べたところ、最初のDNA合成ピークはなんら影響を受けなかったが、2番目のピークは抗体によって促進された。この結果は、細胞増殖促進と同時に誘導されるIFNおよび2ー5A合成酵素が細胞増殖をフィードバック的に抑制することを示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 岩田晃: Journal of Biochemistry. 104. 247-250 (1988)

  • [文献書誌] 進藤道子: Hepatology. 8. 366-370 (1988)

  • [文献書誌] 岩田晃: Microbiology and Immunology. 32. 597-605 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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