研究課題/領域番号 |
62570205
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
浦沢 正三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045379)
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研究分担者 |
浦沢 价子 札幌医科大学, 衛生短期大学部, 教授 (90045378)
谷口 孝喜 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40094213)
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キーワード | ヒトロタウイルス / 単クロン抗体 / 中和エピトープ / 血清型抗原 / 交叉反応抗原 / ウイルス蛋白 |
研究概要 |
昨年に引続き、本年度は、ヒトロタウイルスの免疫により本ウイルス外殻蛋白VP3に対する多数の単クロン抗体を作成し、これらを用いて、外殻蛋白VP3上のウイルス中和抗原、とくに血清型1、3および4特異的抗原の検索を行った。 その結果、血清型1、3および4型ウイルスの免疫により得られ、VP3蛋白と反応する中和単クロン抗体(20種類)は、全て複数の血清型のウイルスを中和し、血清型特異的抗体は得られなかった。このことは、前年度のVP3蛋白コードRNAの全塩基配列の成績および米国の研究者グループの類似の成績とも考え合せ、ヒトロタウイルスVP3蛋白には血清型2特異的抗原部位は存在するが、血清型1、3、4については特異的エピトープは存在せず、血清型間の交差反応性エピトープのみが存在することを強く示唆した。 VP7上の血清型1〜4特異的エピトープを認識する単クロン抗体、およびVP3蛋白上の交差反応性エピトープに対する単クロン抗体を用いて、ELISA法により約600例の糞便中ロタウイルスの抗原性を検討し、血清型1〜4以外と考えられるウイルス株、複数の血清型抗原を合せ持つと推定されるウイルス株など多数の興味ある例を検出した。これらについては現在、細胞培養による増殖を試み、更にその性状を検討中である。
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