研究課題/領域番号 |
62570205
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
浦沢 正三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045379)
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研究分担者 |
浦沢 价子 札幌医科大学, 衛生短期大学部, 教授 (90045378)
谷口 孝喜 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40094213)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | ヒトロタウイルス / 単クロン抗体 / 中和エピトープ / 血清型抗原 / 交叉反応抗原 / ウイルス蛋白 / ウイルスRNA / 塩基配列 |
研究概要 |
1.われわれは、ヒトロタウイルス(HRV)を免疫して約60種類のHRVに対する中和単クロン抗体(Mab)作成した。これらは中和反応およびELISA法での検討により、血清型特異的Mabおよび交差反応正Mabに分類された。これらMabの蛋白特異性を遺伝子組換体ウイルスあるいは免疫沈降法を用いて検討した結果、血清型特異抗原は大部分VP7、一部(血清型2特異抗原のみ)VP3上に、また交差反応性抗原は大部分VP3、一部VP7上に存在することが判明した。 2.ついでこれら血清型特異的および交差反応性抗原の構造解析を行うために、各Mabに対する抵抗性変異KU(血清型1)株を作成し、Mabとの交叉中和試験の成績に基き抗原(エピトープ)構造の異る抵抗性変異性を洗濯した。primer extension法により、上記抗原構造の異る抵抗性変異株のVP3およびVP7蛋白コードRNAの全塩基配列を決定し(米NIHとの共同研究)、各変異株におけるアミノ酸置換部位を決定することにより、各Mabの結合する抗原エピトープの所在を明らかにした。その結果、KU株VP7上の血清型1特異的中和エピトープは少なくとも5種類存在し、それらは互いに重なり合い1つの大きな抗原部位を形成していること、これらエピトープはアミノ酸配列で90番代、210番代の2つの抗原部位に位置し、これらは立体構造試上互いに近接して存在することが示唆された。一方、抵抗性変異株の交叉中和試験の結果から、VP3上の交差反応性中和エピトープは少なくとも3種類独立して存在することが示唆されたが、抵抗性変異株のアミノ酸配列の結果も305、433、392(および立体的に近接する439)近辺に異なるエピトープの存在を示した。また上記エピトープに対応する合成ペプチドとMabとの反応性から、これらはsequentialな抗原決定基であることが示唆された。 3.これらの単クロン抗体を用いるELISA法で見出されたユニークなウイルス株については現在細胞培養による分離増殖を試みている。
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