研究課題/領域番号 |
62570224
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 元 放射線医学総合研究所, 障害臨床研究部, 主任研究官 (00179201)
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研究分担者 |
武内 ゆみ子 東京大学, 医学部付属病院・第二内科, 助手 (90179622)
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キーワード | 自己寛容 / 移植免疫寛容 / キメラマウス / 胎仔胸腺臓器培養 / T細胞分化 / サイクロスポリン / 寛容原 |
研究概要 |
1.胸腺キメラマウスの研究。J.Immunol誌に投稿した論文は、追加実験結果を加筆し、出版となった(1989年3月予定)。この実験において、デオキシグアノシン非感受性の胸腺上皮細胞上のクラスII分子が寛容原になりうること、他方、クラスI分子は寛容原にならないことを示した。逆に、デオキシグアノシン感受性の胸腺内血球糸細胞がクラスI寛容に関連していることを示した。 2.胎仔胸腺臓器培養の研究。Immunology誌に投稿した論文は、追加実験結果を加筆し、出版となった(1989年2月予定)。胸腺臓器培養系でのサイクロスポリンの影響を更に検討し、第2報を投稿中である。これらの研究で、胸腺での『正』の選別圧力が、CD4^+8^+細胞からCD4^-8^+、あるいはCD4^+8^-細胞への移行過程に働いていることが示された。 3.胎仔胸腺臓器培養方の延長線上の実験として、in vitro胸腺内キメラを作製して、寛容導入に働く血球系細胞の解析を行った。2つの方法で胸腺内キメラを作製した。一つは、胎仔胸腺をポリカーボネート・フィルター上で接着培養して胸腺パラビオーシスを作製した。アロCTLを誘導し、寛容状態を検討した。寛容導入の機序、寛容導入が成立する胸腺細胞分化段階を調べた。また、免疫組織学的手法で寛容導入に働く細胞がThy-1陽性T細胞であることを発見した。第二の方法は、デオキシグアノシン処置胎仔胸腺にソーティングしたアロThy-1陽性未分化T細胞をハンギング・ドロップ法で移入させてキメラ状態を作った。この実験でThy1陽性細胞上のクラスI分子が寛容原として働くことを証明した。胸腺パラビオーシスの実験結果を論文にまとめ、投稿中である。
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