研究課題/領域番号 |
62570229
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
百々 栄徳 山口大学, 医学部, 教授 (40033956)
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研究分担者 |
石居 房子 山口大学, 医学部, 教務員 (70144962)
米田 純子 山口大学, 医療短期大学部, 助教授 (10144966)
岩本 美江子 山口大学, 医学部, 講師 (80034932)
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キーワード | 騒音 / ストレス / 血漿中C-AMP / 不安尺度 / 状態不安 / 性格特性としての不安 / 敏感度 / 特異度 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の実験結果を統計的解析することにより、新しい知見を求めることを目的とした。血漿C-AMPは、人に対する騒音ストレスの良い指標になることを論文にまとめることが出来た。またSpierbergerらが作成したSTAI(不安尺度)については、これまで集めた若年者、老齢者、ストレス負荷前後の多数のデータをコンピュータを用いた他変量解析を行うことにより、これらA-State(状態不安尺度)とA-Trait(性格特性としての不安)の信頼性および妥当性ともに良いことを認めた。その上で各種レベルの騒音がもたらす人に対する心理的影響を見るために、STAI応用の良否を検討し、それらを含めて論文作成した。 さらに引き続き、明らかに変化が認められるであろうと考えられる女子学生へ90dB(A)騒音暴露の際の、生理的指標のC-AMPと心理的指標のA-Stateの変化から、それら指標の変化のバラツキ度合、両指標の変化の一致性、さらに騒音暴露群におけるC-AMPの上昇度、A-Stateの上昇度のストレス指標としての有効性をlog(暴露後C-AMP/前C-AMP)およびlog(暴露後A-State/前A-State)を用いて、騒音負荷のない女子学生をControlとして比較検討した。騒音ストレスに対するC-AMPやA-Stateの上昇度の敏感度をみるために、Control群におけるそれぞれの90%ileまたは95%ileをクライテリアにして、Noise群を分類すると、log(C-AMP後/前)では敏感度の0.71と高かったが、log(A-State後/前)は0.27と低かった。すなわちストレスに対する生理的指標であるC-AMPの上昇度は心理的指標のA-Stateの上昇度よりも敏感性が高く、より有効性が高いことがわかった。これら結果について第4回ストレス学会にて発表しているが、論文は現在作成中である。これまでの研究は若年女子を対象に行ったものであるが、今後さらに個人差が大きいと考えられる高齢者についての研究を進めていきたいと考えている。
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