研究課題/領域番号 |
62570229
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
百々 栄徳 山口大学, 医学部, 教授 (40033956)
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研究分担者 |
石居 房子 山口大学, 医学部, 教務員 (70144962)
米田 純子 山口大学, 医療短期大学部, 助教授 (10144966)
岩本 美江子 山口大学, 医学部, 講師 (80034932)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 騒音 / ストレス / 血漿中C-AMP / 不安尺度 / 状態不安 / 性格特性としての不安 / 敏感度 / 特異度 |
研究概要 |
人において騒音ストレスに対する影響をみる指標として、交感神経β作用、ACTH等各種ホルモンのSecond Messengerであると認められているPlasma C-AMPはACTH、GH、Prolactin、Cortisolに比べて、より敏感な指標であり70dB(A)以上の強さで有意な上昇を認めた。また心理的指標としてSpierbergerらが作成したSTAI(万安尺度)を用いると75dB(A)以上の強さで有意な上昇を認めることができた。さらに生理的および心理的両指標の一致性や有効性を検討するために多人数の女子学生に、90dB(A)PINK NOISEを15分間暴露し、窮露前後のPlasma C-AMP、A-Stateを測定し、そのストレス指標としてlog(C-AMP後/前)およびlog(AーState後/前)を用いて、騒音負荷のない女子学生をControlとして比較検討した。騒音ストレスに対するC-AMPやA-Stateの上昇度の敏感度をみるために、Control群におけるそれぞれの95%ileをクライテリアにした時、Noise群を以上と以下とで分類すると、log(C-AMP後/前)では敏感度0.71と高かったが、log(A-State後/前)は0.27と低かった。すなわちストレスに対する生理的指標であるC-AMPの上昇度は心理的指標のA-Stateの上昇度よりも敏感性が高く、より有効性が高いことがわかった。しかし騒音ストレス負荷後のC-AMPの上昇度は個人差も大きいことがわかっている。集団の中からストレスに対して生理的に鋭敏に影響するかどうかを、簡単なアンケート方式にて分別出来るならば、影響を受けやすい者への早期の保健指導が可能になる。そこでさらにSTAIのうちのA-Trait(性格特性としての不安尺度)のみでストレスに反応し易いか否かの分別が可能かどうかをみるために、前もってとったA-Traitアンケートについて検討を加えたが、それとC-AMPの上昇度には有意な相関関係は認められず、A-Traitだけでは個人をストレスに反応し易いか否かに分別するのは困難であることがわかった。
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