研究課題/領域番号 |
62570247
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
緒方 正名 岡山大学, 医学部, 教授 (70032844)
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研究分担者 |
愛甲 博美 岡山理科大学, 教養部, 助手 (90098567)
田口 豊郁 岡山大学, 医学部, 助手 (30197248)
松田 昭 岡山大学, 医学部, 助手 (60173837)
吉良 尚平 岡山大学, 医学部, 講師 (50033212)
目黒 忠道 岡山大学, 医学部, 助教授 (70093713)
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キーワード | 金属水銀 / アカタラセミアマウス / エタノール / アミノトリアゾール / 胎児移行 |
研究概要 |
金属水銀暴露後のマウス臓器中水銀量の時間変動:正常マウスとアカタラセミアマウスを放射性標識金属水銀に10分間暴露し、暴露直後及び6時後の臓器中水銀濃度を調べた。その結果、両種マウスとも肺の水銀濃度は、6時間後において直後の濃度の約1/4に減少し、吸入された水銀は肺より血液を経て他の臓器へ移行することが認められた。そして血液と腎臓においては、水銀濃度は減少したが、肝臓及び脳の濃度においては、24時間後に増加を示した。この傾向は、両マウスにエタノールまたはアミノトリアゾールを前投与した場合においても認められた。そして、アカタラセミアマウスは正常マウスより、臓器中の水銀濃度について、肺及び血液において低く、肝について高く、この差異は、暴露直後及び6時間後のマウスにおいても存在した。 2.エタノールで前処理したマウスの水銀の運命:放射性標識金属水銀に暴露後の呼気中水銀の排出量、尿中水銀の排泄量は、エタノール投与群では、対照群(非投与群)より高いことが認められた。即ち、エタノール投与群の血液中の水銀濃度は対照群のそれより低いが、エタノール投与群の腎臓中及び尿中水銀濃度は、おのおの対照群のそれより高いことが認められた。 3.胎児への水銀移行:正常及びアカタラセミア妊娠マウスにATを投与し、投与及び非投与(対照)マウスに放射性金属水銀を暴露した際には、胎児水銀濃度対母体血水銀濃度比は、アミノトリアゾール投与アカタラセミア>アミノトリアゾール投与ノーマル>アカタラセミア>ノーマルの順であることが見いだされた。また、胎児中水銀濃度と、胎盤中水銀濃度の間には平行関係を示していた。
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