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1987 年度 実績報告書

有機溶剤の心機能抑制機序に関する電気生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570248
研究機関山口大学

研究代表者

酒井 恒美  山口大学, 医学部, 教授 (70116721)

研究分担者 小林 春男  山口大学, 医学部, 助手 (00127763)
芳原 達也  山口大学, 医学部, 助教授 (10116501)
キーワード有機溶剤 / LLI-Tricbloroethane / 循環障害 / 心収縮能 / peak dp / dt / 心拍数
研究概要

産業の場において頻繁に使用されている有機溶剤とくに1, 1, 1-trichloroethane(1, 1, 1-TCE)による急性中毒死の原因として, 循環障害の関与が推定されている. 1, 1, 1-TCE吸入による心臓への影響とくに心収縮能の変化とそれに関連する心拍数の影響を明らかにする目的で, pentobarbital麻酔イヌを用いて実験的に検討した. 得られた成績の概要は次のごとくである.
1.左室内圧の第一次微分値の最大値(peak dp/dt)は1, 1, 1-TCE吸入よって低下し, その閾値は約0.2%であった. また閾値以上の濃度とpeak dy/dtの低下の度合いとのあいだには有意の逆相関関係が認められた.
2.収縮期における最大左室内圧, 左質等客収縮期の40mmHgの時点に対応するdp/dt, および心筋縮要素の最大短縮速度はいずれも1, 1, 1, TCE吸入によって低下した.
3.1, 1, 1-TCE吸入による心拍数の変化は, 1, 1, 1-TCEの濃度が比較的低濃度(1.32±0.14%)では心拍数の増加が, また商濃度(2.79±0.24%)では, 心拍数の減少が出現した.
4.洞結節を破壊した後, 右房ペーングによって心拍数を増加させるとpeak dp/dtは増加し, 逆に心拍数を減少させるとpeak dp/dtは減少した.
5.右房ペーシングにより, 心拍数を一定に保ち, 1, 1, 1-TCEを加入させてpeak dp/dtの低下の度合いを測定し, さらにペーシングを行なわない群すなわちcontrol群と比較した. 1, 1, 1-TCEの濃度が比較的低い場合には, ペーシングを行った群の方がpeak dp/dtの低下の度合いには有意に大きく, また, 高濃度ではcontrol群の方がわずかに大きい成績が得られた.
以上の成績から1, 1, 1-TCE吸入により, 心収縮能は低下することが明らかになった. また, 1, 1, 1-TEC吸入によるpeak dp/dtの低下には心拍数が関与していると推定される.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小林春男: Archiues of Environmental Health.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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