研究課題/領域番号 |
62570257
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
富田 純史 久留米大学, 医学部, 助教授 (70113230)
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研究分担者 |
鶴田 真理 久留米大学, 医学部, 助手 (80197772)
柴田 彰 久留米大学, 医学部, 講師 (10113226)
福田 勝洋 久留米大学, 医学部, 教授 (60045416)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | カロチノイド類 / 腫瘍免疫 / 生体防御機能 |
研究概要 |
本研究課題の研究目的は、これまでのヒトを研究対象とする疫学的研究によって解明されてきた環境要因とりわけ栄養・食物と癌及び感染症の疾病との関係について、より詳細に疫学的検討を加えることにより疾病のリスク低下に作用するものを選び出し、実験的手法によりその機作を解明することによって、疾病発生への寄与度、並びに寄与様式に関する基礎的知見を集積し、疾病の一時予防に役立てようとするものである。 このため、我々は国内及び国外の栄養・食物と疾病に関する疫学的研究結果を詳細かつ総合的に検討し、発癌のリスク減少への関与が疑われている縁黄色野菜中に豊富に含まれているカロチノイド類について着目した。続いて、生体の腫瘍排除を中心とする各種の生体防御機能に与える影響の測定を行った。即ち、カロチノイド類の中から分子構造とプロビタミンA効果においてそれぞれ異なるものを選び出し、腫瘍を含めた異物排除に係る各種生体防御機能(非特異的、特異的免疫能を含む)に与える影響の測定を行った。当該年度は本研究課題の最終年度であるので、これまでに得られた我々の研究結果を取りまとめて報告する。 その結果、カロチノイド類の中に腫瘍排除を腫瘍抗原特異的に賦活化するものがあることが明らかになった。また、プロビタミンA効果はこの作用発現のために必ずしも必要ではなかった。従ってカロチノイド類自体が効果発現に寄与していることが考えられるが代謝中間体の関与を否定するものではない。以上、本研究結果は日常摂取する食物のもつ役割について新たな角度からの検討の必要性を示すとともに従来ビタミンAにのみ向けられていた疫学的、実験的研究の見直しを示唆するものと考える。今後も、ヒトを対象する疫学的研究と実験研究とを組み合わせ、ヒト癌の発生要因の究明を追求して行く予定である。
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