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1988 年度 実績報告書

自己免疫疾患におけるHLA抗原および増殖因子レセプター遺伝子の免疫遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 62570275
研究機関筑波大学

研究代表者

松井 良樹  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80114784)

キーワードBL抗原 / 遺伝子多形性 / c-sis / 血管内皮細胞 / HLA抗原 / リンパ細胞 / 自己免疫疾患 / 表面抗原量
研究概要

(結果)1.正常人、全身性エリテマトーデス(SLE)および慢性関節リウマチ(RA)について、増殖因子レセプター(BL抗原)の遺伝子型の解析を行い、3種類の遺伝子多形性を認めた。この遺伝はメンデルの法則に従う。ある一種の遺伝子型は、SLEにおいて認められず、RAでは増加していた。インスリン依存性糖尿病(IDDM)においては正常人には無い型が認められた。2.増殖因子をコードし、且つ多形性を有する癌遺伝子(c-sis)の血管内皮細胞における遺伝子発現はIL-1としLPSで増強され、γインターフェロンで抑制される。
(考案) Tリンパ細胞は活性化によりγインターフェロンなどの因子(リンフォカイン)を産生する以外に、早期に特異的に表面HLA抗原量を増加させ、免疫反応において重要な働きをすることが示された。BL抗原のある種の型の遺伝子、またはそれに隣接した遺伝子はSLEの発症を妨げ、RAの発症を促進する可能性が示された。更に、この遺伝子の構造の変化はIDDMの発症の関与する可能性がある。BL抗原とHLA抗原において共通で、且つ他の抗原に認められない点は、リンパ細胞表面に存在し、多形性を有し、その型と自己免疫疾患とが相関を示すことである。HLA抗原は型の相違以外にも表面抗原量の差によって機能が異なる事が示されたが、BL抗原に関しては未知である。血管内皮細胞においてγインターフェロンは増殖遺伝子(c-sis)の発現を抑制することが示され、また多くの自己免疫疾患において血管内皮細胞に病変が認められるが、c-sisの多形性と自己免疫疾患との関連の解明は為されていない。今後は、自己免疫疾患において、免疫反応に重要で且つ遺伝子多形性を有する3種の物質の型を同時に検討し、産生量の変化と機能の関連について研究し、自己免疫疾患の発症のメカニズムおよび治療の解明に役立てたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Suzuki;K.Shibano;M.Okane;I.Kono;Y.Matsui;K.Yamane;H.Kashiwagi: American J.of Pathology. 134. 35-43 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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